【相続税質疑応答編-38 国税不服審判所の事例から財産評価のポイントは?】

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公開日時
2013/07/08 08:00

国税不服審判所が平成24年下半期分の再掲津事例を
下記URLで公表しました

http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/89.html

その中から10月9日の採決の中から「取引相場の無い株式の評価」に
関連して借地権評価の問題点を解説します

<事例>
簡単に解説するために、事例を簡略化して紹介します
地主:同族会社オーナー
借主:同族会社
契約:不動産賃貸借契約
権利金:収受無し
地代:相当地代の収受無し
このような契約状態で無償返還の届け出を提出しています

この場合、土地の評価は自用地の評価額の80%となります
その根拠は、いわゆる「相当地代通達」の8です。

以下で本文を引用します

(「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価)
借地権が設定されている土地について、無償返還届出書が提出されている場合
の当該土地に係る貸宅地の価額は、当該土地の自用地としての価額の100分の80
に相当する金額によって評価する。

なお、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対し土地を貸し付けて
いる場合には、43年直資3-22通達の適用があることに留意する。

この場合において、同通達中「相当の地代を収受している」とあるのは
「「土地の無償返還に関する届出書」の提出されている」と読み替えるものとする。

さらに、ここで上記の43年直資3-22通達によると
「相当の地代を収受している貸宅地の評価について課税時期における被相続人
所有の貸宅地は、自用地としての価額から、その価額の20%に相当する金額
(借地権の価額)を控除した金額により、評価されたい。」

と記載されています。ここで注意すべきポイントは
上記で『相当の地代を収受している』とあるのは『無償返還の届出
を提出している』と読み替える点です。

これらの通達から、
上記契約形態であれば、土地は自用地評価の80%で評価し
借主である法人には借地権として自用地評価の20%が計上される
ことになります。

ここで、論点となったのが借主である法人に計上される20%は
「土地等の評価」に該当するのか否かという点です。

この点について、借地借家法の制約賃貸借契約にもとづく利用の制約等
を勘案すれば、現在借地慣行のない地区についても20%の借地権を認容
していることとの権衡上、本件における土地の評価についても借地権割合
を20%とすることが適当である。

と通達に記述がありますので、法人の資産として計上する
借地権の20%は、「土地等の価額」に含まれることになります。

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