化粧品輸入販売プロセス⑪~実地調査~
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こんにちは。サニー行政書士事務所の岡村です。
前回は、化粧品製造販売業許可や製造業許可の書類申請が終わって、実地調査を待つ間に行うべき、手順書内容の熟知、学習や関連法令の把握、および実地調査の模擬演習についてお話ししました。
前回の記事:手順書内容、関連法令や通知等の教育、模擬調査
前回記事でご紹介したような各種準備を経て、いよいよ、実地調査の本番日を迎えることになります。
まずは、実地調査全体の流れからご説明します。
この記事シリーズは、化粧品の輸入プロセスについてご紹介するものですので、化粧品製造販売業許可申請と化粧品製造業許可申請のダブル申請が前提となっています。そのため、実地調査の紹介も、ダブル申請をしている場合を前提にご説明します。
基本的に、都道府県の薬務主管課からは、化粧品製造販売業許可申請の担当者が1名、化粧品製造業許可申請の担当者が1名、計2名がやってきます。
製造販売業側の総括製造販売責任者(および品質保証責任者と安全管理責任者。すべて兼務の場合は1人)、製造業側の責任技術者が別々に存在する場合、それぞれの業態に関する実地調査が同時並行で進みます。
総括製造販売責任者 ⇔ 製造販売業許可の担当者
責任技術者 ⇔ 製造業許可の担当者
こんな感じで別個に進んでいくことになります。
一方で、特にこれから化粧品輸入ビジネスを始めようとされる事業者様に多いのですが、総括製造販売責任者、品質保証責任者、安全管理責任者及び責任技術者の4つのポジションを1人が兼務する場合、製造販売業、製造業それぞれの実地調査を同時並行ですることはできません。
よって通常は、
①まず製造業許可の要件について確認(主に製造所内の人の動線確認、保管棚や製造用機器類の種類や配置を提出書類と照合、製造所の床材や壁材、天井材等を提出書類と照合、等)
②次に、製造販売業許可に関する確認(具体的には手順書の記載内容理解度のチェックや、修正が必要な箇所の指摘)
この順番で進むことになります。
①については、担当者(責任技術者)がスムーズに説明し、応答することができれば、許可の区分(一般か包装表示・保管のいずれか)にもよりますが、30分~1時間もあれば確認は終了するかと思います。
問題は、②の手順書の確認です。
このプロセスは、実質的に都道府県の薬務担当者と、総括製造販売責任者との1対1のやり取りになります。
少々乱暴な表現を使用させてもらうとすれば、「ガチンコ対決」です。
ここで、例えば手順書における不備(指摘事項)の数が多かったり、薬務担当者からの手順書の内容についての質問に総括製造販売責任者が的確な回答を返せなかったりすると、それだけ所要時間は増えていくことになります。
下手をすると、「総括製造販売責任者における手順書理解度が低い!」と断じられ、再度の勉強と、後日都道府県に登庁しての理解度チェック(テスト)を要求されます。総括さんにとっては、予定外の時間的労力が増えることになり、大変です。
ゆえに、前回記事でも取り上げた通り、事前のシミュレーション、教育訓練による手順書内容の熟知、把握が何よりも大切になるのです。
ここで、実地調査での想定問答集(Q&A)による事前チェックや、実地調査の流れを一通り追っての模擬練習をしておけば、調査当日に不適切な対応をしてしまったり、質問された内容に答えられなかったり、という可能性は極力削減することができます。
私自身、複数の実地調査の現場にオブザーバーとして立ち合い、現場の空気感や臨場感、各都道府県担当者の特性(厳しさ)、「こういう所に特に気を付けておくべき」、という勘所を弁えています。
こういった、一見目に見えなくて、書類上にも具体化されていないが、手続きをスムーズにトラブル無く乗り切る「ノウハウ」こそが、行政書士のような専門家がクライアント様にご提供することができる、真の付加価値だと考えています。
さて、一通りの実地調査が終わり、何も問題がなければ、そのまま書類審査手続きは継続し、そこからおよそ2週間程度をめどに、許可証が交付されることになります。
何か問題があれば、それら問題は後日、「調査指摘事項書」という書面の形で、都道府県薬務課から総括製造販売責任者宛てに郵送されてきます。
調査指摘事項書に書かれた改善要求に従い、改善を施し、薬務課には改めて「改善報告書」という書式をもって報告しなければなりません。
この報告をし、それが問題なしとして受理されれば、一旦止まっていた書類審査が再開されます。
(この改善報告書の内容や作り方、提出の仕方などは次回詳しく解説いたします)
長文お読みくださり、ありがとうございました!
次回>>化粧品輸入販売プロセス⑫~結果待ち(適宜、申請書類の手直し&再提出)~
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