吉本 彰夫
ヨシモト アキオグループ
歯の治療で金属アレルギーになるの?(その1)
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歯の治療で金属アレルギーになることは、あります。
意外に知られていませんが、口の中の金属が溶け出して金属アレルギーを引き起こしている患者さんはご本人が自覚しているいないにも関わらず、多い症例です。
最近、こういった「金属アレルギー」に関するお問い合わせが非常に多くなってきました。
「歯科材料」は、実際にご自分の体の中に入るもの、です。
あなたは、「金属アレルギー」という言葉を聞いた時、どんなことをイメージされますか?
歯医者さんと、金属アレルギーって何か関係があるの?と思われる方も多いかと、思います。女性であれば、「ピアス」や「イヤリング」「ネックレス」をしていた時に耳や、首まわりに赤い湿疹ができたり、かゆくなったりした経験がおありになる方がいらっしゃいませんか?
特に、夏場、汗をかいた時に限って、首まわりや、耳が、かゆくなって赤い湿疹ができる、そんな方はいらっしゃいませんか?
「金属アレルギー」とは、ピアスやイヤリングなどの装飾品を身につけた場合に、かぶれやかゆみなど反応してしまうもの、それが一般的にはよく知られています。通常、金属そのものは身体に対して無害なものです。
しかし、汗や唾液などの体液と交わることによってその金属がイオン化を起こします。そのイオン化した金属が体内に取り込まれてしまい、汗をかいた時に、かゆみが出たり、湿疹がでたり、ということが起こります。
湿疹や、かゆみだけの症状が出るだけではとどまらず、金属アレルギーの最も恐ろしいことは、一度体内に取り込まれた金属は、体内から出すことができない、ということ、です。
取り込まれた金属イオンは体内のタンパク質と結合します。
このタンパク質と結合した物質が私たちの体内に入り込むと、「それは異質なものである」と身体が認識し、アレルギー反応を起こし、皮膚や粘膜を破壊していく、これが金属アレルギーのメカニズムです。
金属アレルギーの特徴として、花粉アレルギーなどのようにある物質に対して、短期的にくしゃみや鼻水などの症状が出るものとは違います。
ある程度、金属の量がたまり続け、その許容範囲のコップがいっぱいになった時点で、一気に表面に出てくる遅延型のアレルギーです。
ですので、「今は、何の症状もない」という方でも、数年後、将来に、「ある日突然発症する」ということが、起こります。
ピアスやネックレスなどによる皮膚症状は早期に発症しますからその原因に気がつくきっかけになります。
しかし、盲点となっていることが、あるのです。
それが「歯科材料による金属アレルギー」です。
あなたは今までに歯医者さんでこんな体験がおありになりませんか?
虫歯ができました。
虫歯ができたので歯医者さんに行きました。
削って詰めて治療をしてもらいました。
保険証を持っているので、保険の範囲内で診療費を支払い、通院を終了しました。
お口の中を鏡で見てみると、虫歯の部分に銀の詰め物が大きく入っています。
保険診療で虫歯の治療に使用する歯の詰め物には、「歯科用水銀アマルガム」という水銀を50%含む金属がこの日本では使われております。
保険診療が適応されるので、現在でも多くの歯科医院で普通に使用されています。
また、患者さんも保険が認めている治療ということは、厚生労働省が認可している材料なのでまさか危険なものは、ないだろう、そう思われている方がほとんど、です。
この歯科用水銀アマルガムが日本で最も売れている、という現実がある、ということは、日本では最も使われている歯科材料、と言えるでしょう。
続く
「金属が溶け出して歯や歯茎が黒くなってきた」
http://www.youtube.com/watch?v=b_uaNwu2J7E&feature=youtu.be
噛み合わせ専門歯科医院 香川県高松市 吉本歯科医院