齋藤 進一(建築家)- Q&A回答「詳細が明らかになりましたね」 - 専門家プロファイル

齋藤 進一
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を

齋藤 進一

サイトウ シンイチ
( 埼玉県 / 建築家 )
やすらぎ介護福祉設計 代表
Q&A回答への評価:
4.6/147件
サービス:4件
Q&A:559件
コラム:3,746件
写真:1件
お気軽にお問い合わせください
048-935-4350
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼
やすらぎ介護福祉設計のホームページはこちらから(※外部サイトへのリンクです)
ホームページ

擁壁の上の一戸建ての地盤改良について

住宅・不動産 住宅設計・構造 2008/07/05 01:00

初めてメールさせていただきます。小生素人の質問で申し訳ございません。以下の点ご教授いただければ幸いです。
■土地建物概要
・北側に3mのL字型擁壁がある北斜面の建物です。
・土地が100m2程度あり、北側擁壁から約50cmのからに2階建ての建物が建っています。
・盛り土が2m程度実施されている。
・L字型の底板は北擁壁から4m程度である。
・表層2mまで地盤改良のための処置がされている模様(N値5程度)
・表層2mから5mまではN値2〜8程度自沈あり。
・5mから7mまではN値10〜20程度。
・底板があるところは2.8mまで鋼管杭を打って、底板がないところは6m程度まで鋼管杭を打っている。(合計27本)
・地面は半年程度しか寝かしていない。
・表層から7mまで全て粘土質である。
■質問事項
(1)底板から鋼管杭までは20cm程度あり、その間の地盤は軟弱地盤だと思われますが、20cmの軟弱地盤でも沈下するのではないでしょうか?
(2)家の片側(北側)が2.8mの杭で支持基盤まで鋼管管を打てていない。もう反対側(南側)が6mの杭で、N値20程度のところまで鋼管杭を打っている。これでバランスが悪く不同沈下は起きないものか?
(3)鋼管杭はN値でいうとどこまで打てば安心なものか?
(4)2mから5mの中間層の沈下は避けられないと思うが、鋼管杭を打っていれば、これらの中間層の沈下は気にしなくても大丈夫か?
(5)5mから7mのN値10〜20の地盤は沈下しないと考えてよいか?

kentさん ( 神奈川県 / 男性 / 39歳 )

詳細が明らかになりましたね

2008/07/07 19:50
( 5 .0)

kentさんこんにちは

前回、北雛壇のご質問を頂いたときは「粘土質地盤」についてお話させていただきましたが、いよいよ住宅の詳細がわかったのですね(^^)

表層の地盤改良に鋼管杭というしっかりとした組み合わせをされておられますが、杭は通常基礎と絡ませて効果を発揮します。

kentさんが仰る「底板」とは基礎の底面と考えて宜しいでしょうか。

(1)について
杭と基礎が分離していると杭の効果が発揮されません。しかし、杭と地盤改良層を一体化させる工法?なら地盤改良層上に乗っている20センチの土は沈下すると考えられます。

(2)について
杭はそれぞれ支持地盤まで伸ばすのが一般的なので、支持層まで届いている杭と届いてない杭が混在するのはどうかと思います。。
支持層まで届いている杭にせん断力(折れる力)が働いて、本来の杭の仕事が出来なくなってしまいます。

(3)について
粘土質地盤のN値のグループ分け
8から15 固い地盤
15から30 非常に固い地盤
30より大 団結した粘土
安心できるのは30より大きな値ですが、このような数値がある層は大深度だったりするため、保証機関が定めた層に杭打ちをするのが一般的です。(いくつとは断言できません)

(4)
本来、各杭が支持層まで届き、杭がべた基礎と緊結していれば大きな沈下は起こらないのが普通です。(砂質土の液状化が起きたときも、地盤が下がり杭上に基礎が乗った状態になります)
しかし、杭の状態が一定でないため、支持層に届いてない杭は沈下の影響を受けやすいと言えます(不同沈下のもと) ただし、六角杭などの摩擦杭の場合は別です。

(5)
前回の地盤のお話では「盛り土」と「切り土」が混ざる土地で、もとの山肌を含め地耐力がそれぞれ違うことから場所によって同じN値の層の深さが違うおそれがあります。
まったく沈下しないことは難しいと考えたほうが良さそうです。

安心した家選びができることをお祈りいたします。


やすらぎ介護福祉設計  齋藤

評価・お礼

kent さん

非常に親身になっていただき感謝しております。
今回非常に勉強になりました。
また良い物件を探したいと思います。

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真