石橋 大右(住宅設備コーディネーター)- コラム「普及の牽引役、補助金が事業仕分け対象となる奇々怪々」 - 専門家プロファイル

石橋 大右
太陽光発電とオール電化を追及するプロフェッショナル

石橋 大右

イシバシ ダイスケ
( 大阪府 / 住宅設備コーディネーター )
株式会社和上ホールディングス 代表取締役
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普及の牽引役、補助金が事業仕分け対象となる奇々怪々

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2010-12-29 18:07

民主党に政権が交代し、良い意味でも悪い意味でも色々な話題をふりまいてくれていますが、ここに来て私たちにとって深く関わりのある重大な決定がなされました。

それは、来年度の予算案において、住宅用太陽光発電補助金が事業仕分けの対象となり、予算が20%圧縮されることとなりました。発電出力1kwあたり7万円というのが国の補助金でしたが、この金額か、もしくは全体の予算が大きな影響を受けることは確実です。単純に1kwあたりの補助金が2割引の6万3000円になるか、予算全体が20%少なくなるということで、以前のように年度末になると予算切れによる募集打ち切りとするか。いずれにしても、ここまで太陽光発電の普及に大きな役割を果たしてきた補助金が魅力を失うことでトーンダウンをするのは明らかです。

先日もエコポイントの半減や、対象機種の大幅減、さらにはエコカー補助金の終了などがありました。今回の事業仕分けは、こうした流れの中で太陽光発電も同じように取り扱うということでしょうか。

しかし、これには疑問を抱かざるを得ません。不景気による税収減は予算そのものの規模を縮小せざるを得ないというところですが、実際にはどうなのかと言うと、予算規模自体はさらに大きくなっているのです。

民主党が打ち出している成長戦略には太陽光発電やエコカーなど、環境分野で国際競争力を高めるという目標が盛り込まれています。ならば、国際的に競争力を持っているエコ関連の分野を育成するためにも補助金のトーンダウンというのはいかがなものでしょうか?

逆に、こうした成長分野の予算を削減してまで増えている予算は何かと言いますと、何かと批判の大きかった子ども手当てなどです。

さらに、高速道路の上限料金を恒久化するための予算も拡大しています。

 

ここで、ちょっと考えてみましょう。

 

太陽光発電やエコカーなど、CO2排出を削減していく成長分野の予算を削減する一方で、高速道路を走りやすくしてマイカー台数を増やし、CO2排出量を多くしているという政策に一貫性を感じることはできません。

 

事業仕分けの判定結果というのは強制力がなく、最終的には尻すぼみに終わってしまっている案件もたくさんあります。単なる政治的ポーズという側面を否定できないわけで、そんな政治劇場の中で太陽光発電を軽視するというのは、日本国が環境への取り組みを放棄したというメッセージを世界に発信する可能性も否定できません。

この予算案が成立するかどうかは分かりませんが、来年の太陽光発電は補助金不足によって年度末にちょっとしたパニックが起きるか、それとも補助金額の削減によって需要そのものがトーンダウンするような年になるかも知れません。

 

思えば、太陽光発電の補助金も、エコポイントもエコカー補助金も、全て自民党政権当時の政策です。民主党は政治的メンツを保つために、こうした制度を冷遇しているのかも知れませんね。残念なことです。

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