石橋 大右
イシバシ ダイスケノマドワーカーの「聖地」ガストにカーボンニュートラル店舗が爆誕
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ガストというファミリーレストランがあります。日本全国にありますし、かなりお値段も安いので行ったことがあるという方は多いかもしれません。このガスト、実はある特定の人たちから絶大な支持を得ていることをご存じでしょうか。その人たちとは、ノマドワーカーです。
ノマドワーカーとはノマド(遊牧民)のようにあちこちを移動しながら仕事をする人たち(ワーカー)のことで、IT業界を中心にその数は増え続けています。特にコロナ禍でリモートワークが普及した際には、自宅やカフェなどを仕事場にする人たちが多くなったようにも思います。
私が代表を務める和上ホールディングスも、基本的に職場を決めないフリーアドレスです。本社はWeWorkといってコワーキングスペースのようなところにありますし、社員も場所に縛られない働き方を実践しています。
そんな今どきの働き方をしているノマドワーカーにとって、このガストは「聖地」のように扱われています。その理由は、ほぼ全席に電源が設置されているからです。同様にスターバックスやタリーズコーヒーなども電源席が多いカフェとして知られているので、店内にはノートパソコンを広げて仕事をしている人の姿が目立ちます。ガストは、そのファミレス版というわけです。
ノマドワーカーとして日常的にあちこちで作業をしている人に聞くと、ガストには回線の品質が高いWi-Fiも完備されているので、まさに「仕事ができるファミレス」なのだそう。デジタル時代のニーズをうまく取り込んだガストですが、そのガストが次の一手を打ってきました。それは東京都にある東村山市役所前店です。
ガストはもとより環境保護や社会貢献活動に熱心なすかいらーくグループの一員ではありますが、さらにその具体的な取り組みを進めるとしてカーボンニュートラルを達成できる店舗を爆誕させました。調達する電力はすべてCO2フリー、つまり再生可能エネルギー由来です。そして店舗の屋上にも太陽光発電設備を設置して、自前でも電力を調達します。削減される年間のCO2排出量は、88トン。
それほど大きな数字ではありませんが、ガストは日本全国に数百店舗があるので、この動きが拡大するととても大きな力になります。このようにガストでカーボンニュートラルが広がると、ここで仕事をするノマドワーカーたちも再生可能エネルギーで仕事ができることになります。ノマドワーカーが多いIT業界には環境などへの意識が高い人が多いので、こうした人たちに支持されるガストがさらにこの取り組みを発展させていると、面白いことになるかもしれません。