石橋 大右(住宅設備コーディネーター)- コラム「これから注目される新エネルギーの風力発電の手引き」 - 専門家プロファイル

石橋 大右
太陽光発電とオール電化を追及するプロフェッショナル

石橋 大右

イシバシ ダイスケ
( 大阪府 / 住宅設備コーディネーター )
株式会社和上ホールディングス 代表取締役
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これから注目される新エネルギーの風力発電の手引き

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2016-11-30 17:59

新エネルギーとは再生可能エネルギーのことで、代表的なものに太陽光発電と風力発電があります。

風力発電は大規模なものから、20kW程度の小型風力発電などがあり、1kWあたりの単価55円というFITが利用できるので、採算性が年に6%以上の利回りの投資対象になります。

なお、FITは20年間ですが、風力発電の元手を回収できるとされる17年を過ぎれば、利回りはぐんと向上します。

ただし風力発電にはさまざまな申請や許認可を必要としますから、そのあらましをここで紹介します。

 

<目次>

1.風力発電のメリットとデメリット

2.風力発電関連の申請、許認可は意外と複雑

3.風力発電事業の採算性はどうなのか

 

1.風力発電のメリットとデメリット

風力発電は風力を利用する発電方式で、風力のエネルギーは再生可能エネルギーとして認められ、20kW程度の小型風力発電だと、平成28年度では1 kW当たり55円の固定価格買取制度(FIT)が適用されます。

なお20kWを超える大型風力発電の場合のFIT価格は22円です。

小型風力発電は太陽光発電システムと似たような構成ですから、建物の屋上や庭などの空きスペースにも設置が可能です。

風が吹けば、太陽光発電とは異なり、夜でも発電できますから、発電時間は場合によっては1日24時間です。

風力発電のデメリットは、小型大型に関係なく、風邪が吹かないと発電しないことです。

また、吹く風が強すぎると発電機の破損ということもあり、さらにノイズの発生が周辺環境へ悪影響を及ぼすことがあります。

 

2.風力発電関連の申請、許認可は意外と複雑

20kWあるいはそれ以上の風力発電の設置には、さまざまな申請や許認可が原則として必要になります。

それは、立地調査関連と、実施計画に関わるものと、建設工事関連です。

(1)立地調査関連の申請と許認可

自然公園法:都道府県知事と環境省

自然環境保全法:都道府県知事と環境省

砂防法:都道府県知事・土木事業所長と国土交通省

地滑り防止法:都道府県知事・土木事業所長と国土交通省

農地法:都道府県知事と農林水産省(4ha超の場合)

農業振興地域の整備に関する法律:都道府県知事と農林水産省

国土利用計画法:都道府県知事と国土交通省

都市計画法:都道府県知事

景観条例:都道府県知事

森林法:市長村長・都道府県知事と農林水産省林野庁

海岸法:都道府県知事・(土木事務所)・国土交通省

※以上はケースバイケースで必要と不要があります。

(2)実施計画関連の申請と許認可

電気事業法(工事計画届・保安規定届・主任技術者選任届・使用前安全管理審査申請):原子力安全・保安院産業保安監査部と経済産業省

系統連携技術要件ガイドライン(系統連携協議・受給契約):電力会社

※これらに関しては太陽光発電設置でも必要ですが、実務は太陽光発電販売・施工会社が代行してくれます。

(3)建設工事関連の申請と許認可

建築基準法(建築物・工作物の建築確認申請):市町村または都道府県建築主事と国土交通省

道路法(道路占有行為の許可・承認):市町村長・土木事務所・国土交通省

道路交通法(設備と重機運搬の規制・許可):警察署長と内閣府

電磁法(無線設備の機能保護):市町村、海上保安庁、防衛省、NTTと総務省・国土交通省

航空法(航空機の航行の安全・障害防止):国交省航空局

消防法(危険物製造所等設備許可):市町村長または都道府県知事、総務省消防庁

騒音防止法(騒音規制):都道府県知事と環境省

振動規制法(振動規制):都道府県知事と環境省

 

※以上はケースバイケースで必要と不要があります。

 

3.風力発電事業の採算性はどうなのか

風力発電は小規模の20kWとそれ以上の大規模に分けられますが、1kWあたりの費用は約30万円とします。

内訳は発電タービンと電気設備、工事費と系統連係や土地代ですが、屋上などの場合は土地代が不要です。

さて1kWあたりの費用が30万円だと、20kWでは600万円で、これに1kWあたりの運転維持費を月額5000円とすると、年間6万円です。

収入のほうは順調に風が吹いた場合は、1年間で20kW×24時間×365日ですから、175,200kWになり、@55円だと粗々で9,636,000円になります。

割り引いて80%とすると、粗々で7,708,800円です。

これは費用を1kWあたり30万円とした場合で、現実にはこれ以上になると考えられますが、それにしてもかなりの利益が期待できそうです。

なお、ネックになりそうなのが、周辺の住宅などと景観・環境で、申請と許認可周りでかなり時間がかかるようです。

また、住宅の屋上に風車があることは、室内に発電タービンを設置しますから、ノイズについては十分な配慮が必要になるでしょう。

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