石橋 大右(住宅設備コーディネーター)- コラム「2016年版 太陽光発電に関する環境省の取り組みはどうなっている?」 - 専門家プロファイル

石橋 大右
太陽光発電とオール電化を追及するプロフェッショナル

石橋 大右

イシバシ ダイスケ
( 大阪府 / 住宅設備コーディネーター )
株式会社和上ホールディングス 代表取締役
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2016年版 太陽光発電に関する環境省の取り組みはどうなっている?

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2016-08-30 17:58

太陽光発電は電力関連ですから、経済産業省の管轄になります。

しかし環境にも密接な関係があるため、環境省の太陽光発電に対する取り組みも気になるところです。補助金の主体だったこともあって経済産業省の存在感が大きいと感じますが、もしかすると本来の所轄官庁かも知れない環境省はどんなことをしているのでしょうか。
環境省が取り組んでいる太陽光発電関連の施策をみますと、使用済再生可能エネルギー設備関連の事業が浮かび上がってきます。

現在の太陽光発電設備の状況をみますと、導入初期段階の1990年代中頃の発電設備が、使用済みとして廃棄処分の段階に差し掛かっています。
しかし、現時点では具体的な処理システムは確立されていないのが実情で、しかも今後は使用済み太陽光発電設備の廃棄がさらに増えると見込まれています。

使用済みとなった太陽光発電設備の部品のリユースやリサイクルは、貴金属やレアアース等の回収という資源の有効利用が期待されます。
そのため環境省は経済産業省との連携で、使用済再生可能エネルギー設備の撤去と運搬、リユース・リサイクル、さらに適正処分などに関する試験や調査検討を行っています。

環境省は平成27年度に、「太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分に関する報告書」とロードマップを策定しています。
さらにロードマップにある施策の一環として、平成28年度に「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」が環境省から公表されています。環境省ではこのロードマップをベースとして今後、ガイドラインの周知に取り組むと同時に、使用済太陽光発電設備のリサイクルの推進に向けて取り組んでいく姿勢を見せています。

このような環境省の太陽光発電に関する取り組みは、経済産業省とも緻密な連携と情報の共有が不可欠ですが、とかく縦割りになりがちな行政構造がネックにならないことを望みます。
また、たとえば野立ての太陽光発電事業で山林や田畑を有効利用する場合、設備関連の管轄は経済産業省ですが、許認可関連は農林水産省などになりますから、環境省だけではなく、幅広い省庁間の連携が必要になります。いつまでも「お役所仕事」だからといって縦割りのままではエネルギー政策も環境政策も前には進みませんね。

太陽光発電が一般に普及しはじめたのは1995年頃からとも言われていますから、2016年の現在は20年が経過しています。そうなると、先にも述べましたが使用済みの太陽光発電設備が増えることはあっても、減少することはありません。
とかく省庁はメインである事案を検討処理する作業を優先しますから、このような省庁間をまたぐ連携をさらに緊密にして、使用済み太陽光発電設備関連の再利用に関するさらなるロードマップの策定が期待されます。


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