石橋 大右
イシバシ ダイスケ野立てと言ってもお茶会ではありません
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最近の太陽光発電業界を見ると、以前にも増してビジネス寄りにシフトしてきていることを現場で強く感じます。
その動きをもっとも顕著に感じるのが野立ての太陽光発電所です。
野立てというのは「のだて」と読むのですが、屋外でお茶会を開く野点(のだて)ではありません。
空き地などの地面に直接太陽光パネルを取り付けて発電を行い、電力会社にその電力を売るというのが野立て太陽光発電です。家庭用と大きく異なるのは自家消費はせず、全量が売電されるという点です。
家庭用の太陽光発電の場合、売電の回るのは余った電力のみです。売電の売り上げを増やそうと思ったら節電に心がける必要があるので、それはそれで悪いことではないもののビジネスとして成立させるには無理がありました。
しかし、野立ての太陽光発電は違います。
発電した量の全部が売電に回って、その買取価格が20年間にわたって保証されているので損益の計算が非常に立ちやすい環境ビジネスです。
20年間にわたってどれだけの発電量が見込めるのかが分かれば、買取単価は決まっているのでそれを20年間続けたらどれだけ儲かるのか?この一点のみで投資の可否を判断することができるので、ある意味では株やFXよりも確実で安全かも知れません。
21年目以降がどうなるのかはまだ分からない部分が多いのですが、その半分くらいの期間で投資は回収できるので、かなりの利益を出した後の話です。
このように野立ての太陽光発電が賑わっているのは、買い取り価格が保証されているだけが理由ではありません。
家庭用の太陽光発電と違って屋根に取り付けるわけではないので、好きな角度、配置で設置ができるので発電量をより多くできるメリットがあるのです。しかも屋根と違って野立ては地面に設置するので重量の制約がなく、とても自由度の高い発電所を作ることができるのです。
さらに、現在ではこうした野立ての発電所そのものが売買されるという流通システムが確立しつつあります。
和上ホールディングスの「とくとくファーム」は中古発電所の売買サイトですが、年々このサイトへのお問い合わせや反響が増えてきており、売買成立の事例数も多くなっています。
太陽光発電所を事業として始めたものの、経営計画が変わった、事業主が変わったなどの理由で中断したいと思ったら、発電所ごと売却してしまうことができるのも、野立て発電所のメリットです。
今や太陽光発電所は配当利回りを生み出す金融商品であり、いつでも売買ができる資産ということなのでしょう。