石橋 大右
イシバシ ダイスケ福島県で太陽光発電が急速に拡大中
-
忘れることがない3.11の大震災からの復興を推進している福島県では太陽光発電が急速な拡大を見せています。
被災地に近い沿岸部から山間部まで、福島県内には続々とメガソーラーが誕生し、災害に強い、いざという時のための分散型電力供給体制の整備が進んでいます。
加えて、農業と太陽光発電を両立させるソーラーシェアリングへの取り組みも広がりを見せています。
福島県では、2040年までに電力の自給率を再生可能エネルギー100%で実現する計画が進められていて、これを実現する主役は太陽光発電です。
福島県の面積は北海道、岩手県に次いで全国で3番目に広く、しかも太平洋側を中心に日射量にも恵まれています。
再エネでの電力の自給率100%を目指して策定された中期の実行計画「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」によりますと、2012~2015年度の4年間に太陽光発電の規模を2倍以上に拡大する目標を立て、この目標は2015年時点で達成が確実な状況になっています。
3.11の大震災後に県内各地で着工されたメガソーラーが続々と動き出していて、その中で復興に向けた象徴的なプロジェクトである福島空港のメガソーラー導入計画は、空港の敷地内の4カ所に合計1.2MWの太陽光発電設備を設置するというもので、このプロジェクトが2014年4月に完成して運転を開始しました。
このメガソーラーは福島県の太陽光発電のパイニア的な役割が課せられていて、使用されている太陽光パネルには10か国のメーカーの30種類が混在しています。
これだけ多くの種類の太陽光パネルを使用した理由は、それぞれのパネルの発電量や劣化状況を比較・検討しながら評価をするためで、これらの中には太陽光が移動するのに合わせて太陽光パネルの表面が自動的に動く追尾型システムも含まれています。
この実験検証の結果は単に福島県に止まらず、広く全国各地でのメガソーラー建設に大きな役割を果たすことが期待されます。
ちなみに、福島空港のメガソーラー建設費は4億円で、そのうち4分の1を県民参加型のファンドで調達されたとのことです。
このファンドの募集を開始してわずか1ヵ月足らずで、予定していた1億円が集待ったそうですから、如何に再生可能エネルギーに対する福島県民の期待が大きいかが推察できます。
これは生活インフラで最重要とも言える電気の重要性を実際にひしひしと身をもって経験した福島県だからとも言えますが、大災害が起きる可能性は全国中ですから、他府県に在住する人も太陽光発電に関して、環境問題も含めてこのような認識を共有すべきでしょう。