石橋 大右
イシバシ ダイスケ派手なニュースの裏で確実に進む地方のミニソーラー事業
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太陽光発電の導入を進めている自治体は、一般的にはどちらかと言えば地味で、なかなかマスコミのニュースとして取り上げられていません。
これはあまりにもショッキングな出来事、もっと報道しなければならないような事件が多すぎるせいかも知れません。
しかし、太陽光発電に関連する出来事は連日のように起きています。
例えばここでご紹介するのは、2013年から2015年の直近に至る同一テーマの太陽光発電関連の動きです。
古いほうから見てみますと、2013年3月に京都市では、市民の誰もが再生可能エネルギーの普及に貢献できる「市民協働発電制度」を創設し、市民ファンドを活用した太陽光発電設備の設置を進めていると報じられました。具体的には、市民からの出資金は、一口1万円で、山科まち美化事務所に発電出力48kw、道の駅ウッディー京北に発電出力18kwの太陽光発電を設置するというものです。募集額は490万円で、出資期間は10年。出資者には現金や商品で出資金を還元します。別の募集では、市立西京高等学校に発電出力28kWの太陽光発電設備を設置・運営するもので、募集額は1,100万円で、一口当たり金額は10万円、出資期間は10年です。
次に2014年に報じられたのは、奈良県の生駒市が、太陽光発電所建設の出資者を募集したというものです。 設置規模は50kW弱で、売電で出資金を返還しますが。総事業費は1,700万円で、一口10万円です。
そして、直近の2015年3月には、大阪府泉大津市が、下水道施設・汐見ポンプ場内の土地を活用して運営する市民共同発電所「泉大津汐見市民共同発電所」の概要を発表しました。 同発電所は、NPOが行政と連携したケースとして大阪府内で初めてです。具体的には、定格出力49.9kWの太陽光発電施設を4月末に完成させる予定で、売電収入は出資者へ還元されますが、その一部は「泉大津環境基金」として積み立て、市内での環境活動に役立てる計画とのことです。
以上の3つの例は、道州制が議論されている地方創生の先駆け的な印象を受けますが、小回りがきく地方自治体では、これら以外にも、屋根貸し事業を含めて太陽光発電の普及推進に力をいれています。
これらの事案は、国としてはできないことであり、自治体だからこそできると言えますが、今後このような事案が増えれば、まさにソーラーシティの出現も夢ではないでしょう。
そして、一つひとつのソーラーシティあるいはソーラーコミュニティの数が増えれば、日本はソーラー大国、環境大国になるのです。