石橋 大右
イシバシ ダイスケ最近よく見かける、地熱発電を重視する意見について
-
最近の報道によりますと、国のクリーンエネルギー政策として、安定した電力供給が期待できるのは地熱発電だという声があります。
これを否定する気は毛頭ありませんが、この考え方は果たして現実性があるのでしょうか?となると疑問が湧いてきます。
と言いますのは、確かに火山国である日本は地熱を大いに利用すべきだとは思いますが、地熱発電所の建設にはいくつかの限定的要素があるからです。
地熱は地底のマグマで、マグマを間接的に利用するのが地熱発電です。では地熱発電に適している場所はどこかと言いますと、これが物理的にも経済的にも限定されてしまいます。
つまり、「ここ掘れワンワン」ではないのです。
しかも、1基の地熱発電所を建設する費用は太陽光発電どころの比ではなく、莫大なコストがかかります。
果たしてこれがペイするのでしょうか?大いに疑問と言わざるを得ません。
また、地熱発電所建設に適していても、住宅地の問題もあるでしょうし、送電設備の問題もあります。
諸点を総合してみますと、やはり最初に力を入れなければならないエネルギー政策は、太陽光発電のさらなる普及ではないでしょうか。それもメガソーラーだけではなく、中小規模のミニソーラーはもとより、従来からの住宅向け太陽光発電と、屋根貸し事業などに本腰を入れた、具体的かつ現実的な施策を打ち出して欲しいものです。
いずれにしても、火力発電は環境問題を考えた時には良しとするわけにはいきませんし、想定外のさらに想定外を考えた場合に原発も是とするわけにはいきません。しかし一方で電気というエネルギーは欠かせないのですから、そうなると行き着くところは太陽光発電や風力発電が一番現実味があるのではないかと思います。
これは太陽光発電関連の仕事をしているからということではなく、客観的な目から日本の電気エネルギーを見た場合の考え方であると申し上げます。
長寿国になったというのは人類的な時間観念に基づいているだけで、宇宙的な時間感覚で言えば、いずれの日にか枯渇する化石燃料に頼る電力生産には限界があります。
それに反して太陽光は太陽という恒星と地球と言う惑星が今の状態で存在し続ける限り無限にあるクリーンエネルギー源なのです。
ここまで話を広げるのは行き過ぎかも知れませんが、言い換えれば地球の未来は一重に太陽光の有効利用にかかっていると言えるでしょう。
そのためには、地熱、太陽光、風力という自然現象をじょうずに活用することが必要なのは申すまでもないことです。