石橋 大右
イシバシ ダイスケ太陽光発電が実はクリーンエネルギーではないという説について
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太陽光発電に対する色々な意見があるのは認識していますが、「太陽光発電は実はクリーンエネルギーではない」という以前からの言葉があります。
今年は特にその指摘が大きかったように思うので、こで改めてこれを検証したいと思います。
少し話が専門的になりそうなので、できるだけ数値などは省くことにして、なぜ「太陽光発電はクリーンエネルギーではない」のかという点に絞って見てみましょう。
それは端的に言えば、太陽電池を製造する段階、太陽光発電システムを屋根の上に載せる架台を製造する際に、電力を消費するからというのが理由です。
太陽電池の材料はシリコンの原石ですから、ウェーハ―を製造したり、アルミ架台のアルミニュームを生産するのには電力が必要になり、その電力は火力発電もしくは原子力発電であるという指摘も追加されます。
つまりこれらの時点で電力を消費し、そのための電力を生産する、あるいは太陽電池製造の家庭ではCO2が発生するというのが、この種の声の理由なのです。
そう言われれば確かにその通りではありますが、問題はこれらの過程で発生するであろうCO2の量であり、ここでとりあげたいのは、これがやや専門用語になりますが、エネルギーペイバックタイム(EPT)やエネルギー収支比(EPR)のことです。
これらの用語はエネルギー源としての性能を比較する際に用いられ指標で、意味するところは、製造や原料採鉱・精製、保守等に投入されるエネルギーに対して得られる電力の大きさです。
つまり、1基の太陽光発電システムを製造する過程で必要とする他のエネルギーに対して、太陽光発電が発電するエネルギーとの対比で、細かい数値は省きますが、簡単に言えば、太陽光発電システムの製造で発生するCO2はゼロに等しいのです。
ですから、「太陽光発電はその製造過程でCO2を発生するからクリーンエネルギーではない」という説は我々最前線で仕事をしている者に言わせると、今では都市伝説になっていることを申し上げておきます。
太陽光発電はまさにクリーンエネルギーなのです。
ぜひこのことを頭に入れてひとりでも多くの人が太陽光発電を導入されることをおすすめしますし、太陽光発電を導入するということは未来の地球の存続に貢献することになるのです。
話が大きくなってしまいましたが、言い方を変えれば、このままではいつの時代にか(それも極めて近い将来)に地球の温暖化が私たちの生活を脅かすことになるのを食いとめるためにも、太陽光発電は必要不可欠であり、そのためにはさらなる個人個人の太陽光発電に対する認識と理解がなくてはならないのです。