石橋 大右
イシバシ ダイスケ日本の気象状況の変化と、太陽光発電への影響
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日本は四季のある国ですが、最近の気象情報を見るとまるで亜熱帯地方のようです。
最近は雨の量を表す言葉として「猛烈な雨」といった言い方をするそうです。これ以上気象が狂ってしまうと、日本での紅葉が12月になってしまうといった話も聞かれます。
四季があってこその日本と思う者にとっては、これ以上気象状況が変わらないことを祈るばかりです。
日本の気象状況の変化は太陽光発電にも大きな影響を与えます。
晴れた暑い日が多いとそれだけ太陽光発電の発電量も増えると思われている方もいますが、実はそうでもないのです。暑くなると、それだけ太陽光発電パネルの表面温度があがり、発電効率が下がってしまうのです。
というのも、太陽光発電パネルは半導体が使われています。同じ半導体が使われているパソコンが発熱すると処理速度が遅くなったり、壊れてしまう場合があるというのは知っている方も多いでしょう。
そのためパソコンでは、特にデスクトップパソコンではヒートファンによってパソコン内の熱を下げる処置が行われており、パソコンでは処理効率が下がるのは25度からといわれています。
太陽光発電パネルの最大出力が出せる温度は、45度です。
それ以上表面温度が上がると、発電効率が下がります。しかし夏の太陽の日差しが強いときなどは、駐車場に止めた車のボンネットがやけどするほど熱くなるのと同じように、表面温度は45度を軽く超えます。
表面温度が70度以上になると実に20%以上も発電効率が下がってしまうのです。
そのため、太陽光発電で最も大きな発電量となるのは、春と秋です。その春と秋が短くなって夏と冬が長くなってしまうということは太陽光発電の効果が上手く得られなくなるということなのです。
もちろん、太陽光発電の弱点についての対策も考えられています。
そのひとつが太陽光発電に必要な波長光だけ透過し、不要な波長光を遮断したり、反射する遮熱ネットです。
遮熱ネットを太陽光発電パネルの上にかざすことによってパネル表面の温度を下げ、必要な波長光を取り込むために十分な発電効果を得られるようになります。
すでに普及が進んできている太陽光発電は、より高性能化という次の段階に入りつつあります。