野口 豊一(不動産コンサルタント、FP)- Q&A回答「賃貸契約に於ける貸主の義務と更新料不払い、賃料減額に関し」 - 専門家プロファイル

野口 豊一
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( 神奈川県 / 不動産コンサルタント、FP )
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更新料、賃貸料を納めない借主へ補償が発生した場合

住宅・不動産 住宅賃貸 2014/10/09 14:24

お世話になります。
姉が住んでいる自宅をある会社に一部貸して10年ほど経過しております。その会社とトラブルが起きています。
現在会社側が賃貸料の更新料を渋り、更新時に更新料を納めず契約書を交わさないまま、先方が勝手に値引いた金額で毎月の賃貸料を納めて来ています。
相手の言い分は業績が良くない、他で借りている仲間に聞いても更新料を免除してくれる家主が多い、老朽化しているからこれくらいの値段で然るべき、とのことです。老朽化しているものの、賃貸料は相場より元々低い設定でスタートしています。
また、契約書に関しては一般的なものしか作成しておらず、トラブル時には話合いの元、程度の簡単なものしか作成しておりません。

今回ご相談しましたのは、住宅の老朽化から発生する問題です。建物が古い為雨漏りが発生しており、対応に急を要しております。借金もあり賃貸料がそのまま借金返済に充てている状況で、雨漏りを治すお金はありません。その旨以前よりその会社に話しており、建直すしかないのでその際は出ていってほしいと話してはあります。今回、雨漏りによるその会社への機器の損害やその補償に関して、法律や事例についてご教授いただけましたらと思います。
また、このように一方的に値引いたり更新料を納めない借主に対して、家主はどのような対応が可能なのでしょうか。合わせてそちらもご教授いただけたらと思います。

cleanさん ( 東京都 / 男性 / 42歳 )

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不動産コンサルタント

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賃貸契約に於ける貸主の義務と更新料不払い、賃料減額に関し

2014/10/09 20:32
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不動産コンサルタントの野口です。
clean様が、問題にされている点は、大きく3点あると思います。
1)更新料の不払いの扱い。
2)賃料の減額対応
3)雨漏れによる責任

○更新料の不払い---契約書に契約更改時には更新料を支払う。記載してあれば、借主は支払う義務があります。これが記載されていなければ更新料を請求できません。一方的に、他の事例を持ち出し、不払いは契約違反で「賃貸借契約違反で解除に値します」。現在、更新料は賃料の1~2ケ月分程度であれば、過大ではないとされています。

○賃料の減額し一方的に減額した賃料を振り込んできた場合、不足分を請求する権利があります。
それでも尚満額支払ない場合は、「支払家賃を供託」する方法もあります。現状の家賃が近辺の家賃相場とかけ離れて高くない場合は、有効です。

○老朽化によって、雨漏れがしている場合は、貸主として修繕の義務が生じます。

以上が、結論ですが、(相手の会社経営の困窮やclean様方の借りれ返済等は、直接関係はありません)

双方が、よく話し合い、夫々の義務を果たすことを確認しあうべきです。感情的になると貸主が多くの場合損害が広がる傾向にあります。

雨漏れを放置して(貸主の義務)おくと、とんでもない損害賠償を吹っかけられる恐れがあります。
この修理と、更新料、減額家賃、借入返済等を勘案し、総合的に契約を維持するか、解約し退去させるかよくご判断ください。専門家の意見を聞き早めに手を打つべきでしょう。

評価・お礼

clean さん

2014/10/10 16:38

野口豊一様

大変お世話になります。早速のご返答ありがとうございます。まさに仰る通りだと思います。

契約書に関してですが、更新料を払う義務に関しては記載しておりません。

また、相手は小売店などではなく、普通の会社なのですが(立地と売り上げが直結してない)、契約書に立ち退きに関して特に記載してないのですが、建て替えを理由に出ていって貰うことは可能ですか?

野口 豊一

2014/10/11 19:34

高評価有り難うございます。
clean様の姉上さまが貸しておられる住宅(一部)は、東京でしょうか、関東では更新料を契約書に記載がない場合でも支払う習慣は、有りませんから賃貸借契約書に記載が無い場合は、口頭で約束していてもこの約束を取り消されても、仕方ありません。

「立ち退き」に関しては、「雨漏れ」の程度ですが、老朽化(木造で20年以上)で構造物が基本的に問題があり、これを補修するには建て替え等の方法か、居住のまま雨漏れ補修は困難と判断されるとならないと、「単純に立ち退き」を迫ると、「立ち退き料」を請求される恐れがあります。

借主である企業は、「事務所」として使用しているのでしょうか?社員などの住宅でしょうか?これによっても交渉の仕方も異なってきます。
 更に個別の件に関しては、こちらから---http://www.iriscon.co.jp

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