leica IIIa/ライカ 3a
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私が建築写真を撮影するのに愛用しているライカ3aを紹介します。
ライカ3aの生産が開始されたは1935年、現在の35mmフイルムが普及するきっかけとなったカメラで、現在のカメラの原点といえる。
すべての動作は機械式で手で設定する。しかしそれぞれの動作は軽く小気味よい。職人技で丁寧に板金されたボディーの質感は現在のカメラにはない気品が漂う。70年たっても快適に使える造りのよさは現在で実現不可能なのではないかと思う。
最大の特徴はレンジファインダーと言って、一眼レフがファインダーでレンズを通した実像で画像を確認できるのに対し、距離計付のファインダーのみでフレームを確認すること。これはデメリットである。しかし一眼レフと異なりフイルムとレンズの間にミラーが不要な構造は、実は大きなメリットも創りだす。コンパクトなボディーサイズ。静かなシャッター音。ミラーショックもない。そして最も大きなメリットは、レンズ設計の自由度が非常に高いこと。ミラーがないためにフイルムとレンズをぎりぎりまで近づけることが可能である。そしてこの特徴を最も活かせるのが超広角系のレンズ。広角になればなる程、フイルムとレンズとの距離が近い方が有利である。一眼レフでは、広角レンズは高価かつ巨大になり、それでも湾曲が出る。つまり一眼レフは構造的に広角に向かないカメラと言える。
また、建築写真にオートフォーカスも不要。私のよく使用する広角レンズは15mmが多いが、絞り開放でも90cmから無限遠まですべてピントがあう。
ライカと言えば、写りに味かあるという趣味性の高いファンの多いカメラである。だが、私がライカにこだわるのは、懐古趣味ではない。シャープで歪みのない写り、広角でもコンパクトな携帯性、安価なコスト、必要な機能を追求した末の結論である。
***leica 3a