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映画のはなし(7)サムライフ
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27歳、元高校教師。全財産725円。だけど「学校」つくります!
映画「サムライフ」のチラシに書いてあるキャッチコピーです。本当? 本当なんです。実際にあるんです。
長野県上田市に「認定NPO法人 侍学園スクオーラ・今人(いまじん)」という民間教育施設があります。元高校教師の長岡秀貴さんが4人の仲間と共に開設した学校です。誰もが「自分らしくいられる学校」を目標に若者を中心に学校復帰や就労支援をおこなっています。その学校を開設するまでの長岡さんの実話を基にしてして制作されたのが本作です。
私が考える本作のポイントは『居場所』。
高校教師となったが自分の理想の学校を作るために退職したナガオカ。
社会に出て働いてはいるものの心から自分のやりたいことを探す若者たち。
さまざまな理由で学校に行かれず自分を傷つけ続ける少女。
精一杯子どもを育てながらも将来の不安に押しつぶされるシングルマザー。
悩んでいる家族にいつも温かく迎える家族。
居場所がないのか、居場所を探しているのか、居場所を奪われているのか、居場所探しを諦めてしまったのか、誰かのために居場所を作るのか、居場所を作ろうとしている人達を応援するのか、ここが居場所だと気づくのか、自分を必要としている場所とは。
このことは生きている上で誰もが直面することなのではないでしょうか。この作品を見るとがむしゃらに生きることっていいな、と思える爽快な映画になっています。
「サムライフ」で描かれている彼ら彼女らの夢やがむしゃらな生き方はまだまだリアルで続いています。
この作品はオール上田ロケで撮影されました。原作の空気感を出したいという監督のこだわりなのでしょう。スクリーンに見慣れた景色が映し出されるのは不思議な気持ちになりますがなかなかいいものです。長野県内では2月7日から先行上映されています。28日から順次全国上映されます。ぜひ劇場でご覧下さい。