間山 進也
マヤマ シンヤ商標と治療手技
法人・ビジネス 特許・商標・著作権 2008/11/11 11:16こんにちは。
今、歯科業界でとある治療法について問題が起きています。仮にその療法をAとし、その治療法の開発者をTとし話進めます
TはAという治療法についてホームページで公開し、専門書、手技DVD、手技にもちる機材等を一般歯科医にもひろめていました。
昨年、その治療法の名称を商標登録したため、勝手に使わないでくれといった内容をホームページや封書にて警告してきました。
このAという治療法はTVなどでかなり誇大な表現をし、世間に広まっています。(実際TV放映の後などは、電話での質問が増えます)
ですからすでに多くの歯科医がこれを基礎とし、日々研究しています。
このような場合、商標登録者の意見を聞き、自院のホームページから「A治療法しています」などの関連文章は削除しなければいけないのでしょうか??
でんさん ( 石川県 / 男性 / 40歳 )
商標と治療手技
(1)歯科治療法の名称として、その治療法として広げた名称の文字列を商標登録したというように理解させていただきました。
(2)治療法としてT氏が広めており、歯科業界でAという名称が普通に使用されているのであれば、普通名称を普通に使用する商標ということで、異議・無効理由になる可能性もあります。商標のダイリューション(希釈化)は、出願人や権利者が行っても生じるものだからです。
(3)また、当該治療法を商標に関わらない別名称を使用して説明することができるのであれば、特許などとは異なり、当該治療法と同一の施術を行うことは問題有りません。
(4)一方、商標権は、技術やサービスの内容自体ではなく、当該技術やサービスを提供する者が複数有ることを前提とし、提供者の混同を防止することが目的の1つなので、当該商標があるからと言っても、Aの名称で呼ばれる施術ができなくなる、というわけではありません。
(5)このため、HPなどで「A治療法をしている」という表現を使用する場合、以下の対応をすることができます。
(A)商標登録を認める場合には、HPでのA治療法の表示は、電磁的方法を使用した広告に該当しますので、使用権について交渉するか、またはHPから削除する。
(B)Aという治療法が業界で普通名称化しているということができる場合、無効審判・異議申立を請求する。
(6)(A)の場合、宣伝広告効果はなくなりますが、施術することは問題有りません。また、(B)の場合、商標登録が無効または取消し決定されると、A治療法の名称をHP上で使用することを含め、問題が有りません。