大塚 嘉一(弁護士)- Q&A回答「当然に無効になるわけではない」 - 専門家プロファイル

大塚 嘉一
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大塚 嘉一

オオツカ ヨシカズ
( 弁護士 )
菊地総合法律事務所 代表弁護士
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事業承継制度を使った株式譲渡。相続で揉めています。

暮らしと法律 法律手続き・書類作成 2017/09/14 22:44

3年前に事業承継税制を利用し、父親の持つすべての株式を譲渡してもらい会社の代表取締役に就任しました。
しかし、最近父親(取締役会長)と経営方針を巡って意見の対立があり、株の返還を求められています。
更には元々株式を全部渡すつもりはなかったと言い出し、半分を妹へ渡せと一点張りです。
しかしながら、父親は間違いなく譲渡当時は事業承継税制の趣旨を理解し、譲渡契約書にも署名・捺印をしています。
妹夫婦も会社経営に前向きのようですが、妹は専業主婦、義弟は他社にて事務職についているので、私はとても会社経営をすることは不可と考えています。
弊社の幹部社員を集め意見を聞いたところ、妹夫婦を会社に入れることは絶対に無理だと全員に言われました。

この場合、上記の株の譲渡は無効になるのでしょうか?

jilluukさん ( 新潟県 / 男性 / 38歳 )

当然に無効になるわけではない

2017/09/15 09:58

 一旦有効になされた譲渡の合意が無効になるには、理由が必要です。例えば、重要な点に錯誤があったので無効だ、とか、脅された、騙されたので取り消す、とかです。気持ちが変わったので、譲渡は無しだ、というのはそれこそ無しです。
 理由がなければ、譲渡人から、返せと言われても、返す必要はありません。訴訟となっても、理由がなければ、譲渡の無効が認められることはありません。
 これを逆に言うと、いったん任意に返してしまうと、それを取り戻すのは無理ということです。
 会社経営に自信があるなら、従業員とともに、その福利を考え、社会に貢献するという気持ちで頑張れるはずです。
 法律的にはそうだとしても、父親との対立を放置しておくのは、望ましくありません。その功績を積極的に評価し、そのうえで、こちらのヴィジョンを理解してもらえるよう努力しましょう。
 前経営者・株式所有者との関係がうまくいってこそ、新設された事業承継税制も喜んでくれる(?)はずです。

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