中村 はるみ
ナカムラ ハルミグループ
継子と継親が本当の親子になる3つのアプローチ
-
■ ケース5 継母のために相続放棄をした財産は捨てたと同じ
私は孝と申します。私と養母は養子縁組をしていなかったので、相続できないことが判りました。わが子のように育ててくれました継母(母と表記)を実母だと思い慕っていました。
ですから父が10年前に亡くなった後、母に父のすべての遺産を相続させ、一緒に穏やかに暮らしておりました。
もちろん母の遺産は私が相続するものだと信じていました。
その母が亡くなりました。遺産相続のために戸籍を取り寄せましたら、母には離婚歴があり、前夫との間に息子(嫡出子)がいました。この息子が全ての母の遺産を相続するそうです。
その息子が遺産放棄しないかぎり私は相続できないと教えてもらいました。
母との親子関係があったからそこ、父の遺産を全て母に相続させたのです。このままでは私は住んでいる家を追い出されます。もし、その子が全ての遺産を要求してきた場合,私に対策がありますか?
*-*
継子と継親が本当の親子になる3つのアプローチ
夫婦円満コンサルタント中村はるみです。
孝さんと継母との間では愛が育まれていました。ですから実子と同じ扶養・親権・相続と発生する養子縁組をすべきでした。残念ながら民法では、配偶者と血族のみが相続できるのです。
遺言書がない限り対応策はありません。事実上の親子ではあっても法律上では親子ではないと判断されます。
継(けい)親子(しんし)は「良好親子関係」が少ないですが、慕い慕われる関係だった孝さんは、養子縁組で継母の遺産の2分の1は相続できたのです。更に継母の同意の上で遺言書/保険などを使えば、継母の遺産をすべて相続したと同じ結果を得られたはずです。
継子は継母のために遺産相続放棄はやめ、父親の財産を相続しましょう。その後に養子縁組をすることで親子の絆を高めることをお勧めいたします。
孝さんの場合は、実父が亡くなったときに財産の二分の一、残りの二分の一は義母が相続し、養子縁組したら義母が亡くなったときに、二分の一つまり四分の一相続でき、計四分の三、相続できたはずです。
残りの四分の一は義母の実子が相続しますが、義母に実子が相続する同金額の生命保険に入っていただき、義母が亡くなったときその給付金で実子に支払うと、父親の財産のすべてを相続できます。
ポイントは、義母が積極的に養子縁組をするかです。してほしいと継子が義母に頼めるかです。
養子縁組をすることはこれから共に生きていくという親子の儀式として親子が捉えると、スムーズに縁組ができると考えます。
【継子と継親が本当の親子になる3つのアプローチ】
1】お互いに親子として向き合う決意をする
2】法にのっとり養子縁組をする
3】お互いの協働作業で愛情を育てる
孝さんの場合、現状で継母の遺産を受け取るにはいくつかの選択肢がありますが、いずれも相続人=継母の嫡出子が認めてくれることが条件です。法律の専門家にご相談しましょう。
「冠婚葬祭偏:お葬式・相続」のコラム
継親への怒りをリセットする4つの儀式(2017/10/24 16:10)
円満相続にする3つの秘訣(2017/10/23 19:10)
円満相続のたった1つの秘訣(2017/10/17 21:10)
相続で継子の荒ぶる感情をなだめる3つのアプローチ(2017/10/17 21:10)
継子が幸せになる3つの考え方(2017/10/17 21:10)