福味 健治(建築家)- Q&A回答「基本は話し合いかと・・・」 - 専門家プロファイル

福味 健治
木造住宅が得意な建築家。

福味 健治

フクミ ケンジ
( 大阪府 / 建築家 )
岡田一級建築士事務所 
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土地引き渡し前の工事について

住宅・不動産 新築工事・施工 2012/02/16 02:10

土地の売買契約を交わし、手付金を支払いました。
ところが、不動産屋さんから契約の内容と異なる事態が発生したとの連絡があり、困惑しています。
契約前の条件は、上水道は完備している、売主負担で擁壁の一部を駐車場(2台分)に整備してから引き渡すというものでした。

なお、当該の土地は、40年前の分譲地。売主さんは、土地を30数年前に購入したものの、結局建物は建てずにいて、今回販売することにしたということです。


(1)上水道の有無
当初は、敷地内に上水道が引かれているということでした。(ただし、40年前の配管とのことでした)。
ちなみに、売買契約時の「重要事項説明書」には、上水道は、前面道路配管…あり、私設管の有無…無しと記載されています。
しかし、契約後に不動産屋さんが実地を調査したところ、敷地内に水道管が見つからなかったそうです。
対策としては、近隣2件の了解を取り付けたうえで、40mm管から分岐してもらい共用するか、最寄りの市道から新たに水道を引っ張ってくる方法がある。出来れば市道から引いた方がよい。ただし、その場合、数十万円の費用がかかるとのこと。

(2)駐車場について
契約後に不動産屋さんが施工業者に見積りを取ったところ、思った以上に擁壁が頑丈で、費用が想定を大幅に上回るらしいです。売主負担の予定だったが、額面が大きいので、買い手側にも一部負担をしてほしいとのこと。

(1)+(2)を支払う場合、百数十万円かかります。

契約上は、私がこれらの工事費用を支払う必要はないと思うのですが、いかがでしょうか。
土地自体に不満はないので、こちらからあまり強硬なことを言って、破談になるのは嫌です。
多少の自己負担は、やむを得ないという気もしていますが、不動産業者にも一部の費用を負担してもらうことはできるのでしょうか。

補足

2012/02/16 02:10

(1)水道工事について
重要事項説明書の記載内容は、前面道路配管は「有」、敷地内配管の欄は空欄、私設管の有無は「無」、整備予定・負担金予定額は「0円」です。
当該敷地は旗竿地です。市道から敷地内の家を建てる場所までの約20mの配管工事をするのに数十万円かかるとのことでした。
一方、隣家敷地の私道部分に40mm管があることを確認しています。ここから当該敷地までは2mほどです。不動産業者曰く、隣家40mm管からの分岐をするには、近隣の了解を取り付ける必要があり、おそらく配管が古く、サビの不安があることから、お勧めしないと言います。

40mm管からの分岐は、安いけども水の品質が心配。(隣家との交渉も面倒?)
市道から配管すると、美味しい水だけど費用がかかる。

費用と品質のどちらを優先するべきか、迷っています。
40mm管からの水と、市道からの水の品質の差があるのかもよくわかりません。一般的に配管の寿命とは何年くらいなのでしょうか。

(2)擁壁工事について
重要事項説明書には、擁壁工事のことは記載なしでした。
ただし、売り出し時の物件情報の備考欄には、「駐車場は売主負担にて整備」と記載があります。また、口頭で「売主負担」の説明を受けていたので、当然「重要事項」にも載っているものだと思い込んでいました。
ちなみに、「重要事項」に記載がなく、物件情報に記載されている事項は、何らかの法的拘束力はないのでしょうか。

契約解除が一番避けたいことで、穏やかに話し合いたいですが、その前提として、法的、あるいは慣習的に判断するとどうなのかを、知っておきたいと思っています。
よろしければ、アドバイスをお願いします。

94aさん ( 埼玉県 / 男性 / 36歳 )

基本は話し合いかと・・・

2012/02/16 08:54
( 4 .0)

大阪で設計事務所をしています。

文面で少し確認させて頂きたいのですが、当該敷地は市道と私道の二面に面しており私道からは近隣の了解を得られれば分岐できるが、出来れば市道から引きたい。しかし数十万円の費用が発生する。と云う事でしょうか?
重要説明事項に宅地内配管の有無については書かれていない模様ですので、私設管が宅地内への引き込み管を指しているのか、私道40mm管を指しているのかよく判りません。
私設管が無となっているので、宅地内配管が無いと云う意味でしょうか?

それであれば、当初のお話しは、話しと云う事になってしまい、重要説明事項に書かれてある内容が契約内容かと思います。

擁壁については、重要説明事項の中には何と記されているのでしょうか?売主負担で施工する云々と書かれてあれば、こちらが負担する必要はありません。

但し、土地の契約は売主が契約解除する場合、手付金の倍返しをすれば解除出来る慣習がありますので、強く拒否すると倍返しされて契約解除される可能性があります。
土地そのものは気に入っておられるご様子ですので、相手の出方を観察しながら押したり引いたりして妥協点を探す事が基本かと思います。

評価・お礼

94a さん

2012/02/17 05:14

早速のご回答、ありがとうございました。穏やかに歩み寄ることを基本に交渉したいと思います。
契約解除が一番避けたいことですので。

質問欄に補足の質問を記入させてもらいました。
よろしければ、アドバイスをお願いします。

福味 健治

2012/02/17 08:36

ご評価頂き有難う御座います。

補足説明いたします。
40年前ですと、給水管は鉛管のかと思います。当時はまだHIVP管は普及していませんでした。鉛管は水道事業発足当時から使用されており、径の太い管は鋳鉄管、細い管は鉛管の時代が随分続きました。最近は地震時の復旧の容易さや、安さでHIVP管が主流となっています。
40年前の鉛管でも、分岐は可能かと思います。40mmあれば三世帯分の供給能力としては問題の無い径です。接続時に多少水はにごりますが、5分も水を出し放しにしておけば元に戻ります。臭いや味についても、この末端に来るまでにもっと古い管を通過して来ているのですから、新しい管を引き直したからと云って、水質が良くなるとも思えません。
勝手な想像ですが仲介されている業者さんが、隣家と交渉するのが億劫なのではないでしょうか?私道の給水管は多分市の所有物になっていると思います。市民には給水を受ける権利があります。私道を掘削するだけの同意ですので、隣地住人も強く拒否される理由はありません。もし拒否される様な人であれば居住されてからの近所付き合いが大変です。仮に水道管が隣家二世帯の所有物であったとすれば、もっと話しは簡単です。メンテナンスを二世帯で行うよりも三世帯でする方が経済的な為です。

擁壁については、物件案内書に書かれてあるからと主張する程度の効力でしょう。交渉ネタにはなりますが、重要説明事項でありませんので、強制力はありません。
この不況時ですので、上手にお話しを持っていかれれば悪い方向には行かないと思いますよ。

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