マイナンバー制度とはどんな制度?詐欺やなりますしを防ぎ有効活用する方法とは
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こんにちは、専門家プロファイル編集部です。
いよいよ始まったマイナンバー制度がスタートしましたが、皆さんお手元には届いてますか?
でも、届いていても「これをどうすればいいの?」と戸惑う方も多いはず。
そんなマイナンバー制度について、制度の仕組みや個人番号カードとの違いなどをまとめました。
≪目次≫
1. まずはマイナンバー制度について知りましょう
1―1 「国民利便性の向上」とは?
1―2 「行政の効率化」とは?
1―3 「公平・公正な社会の実現」とは?
1―4 3つの項目からわかるマイナンバーの目的とは?
2. マイナンバー制度と個人番号カードとは?
2―1 マイナンバー制度とはどんなもの?
2―2 個人番号カードってどんなもの?
2―3 個人番号カードの申請の仕方について
2―4 個人番号カードを受け取りましょう
2―5 個人番号カードのセキュリティについて
3. マイナンバー制度のメリットとデメリット
3-1 マイナンバー制度のメリットとは?
3-2 マイナンバー制度のデメリットとは?
3―3 マイナンバー制度にまつわる実際の事件とは?
3―4 マイナンバー制度のトラブルに巻き込まれたらどうすればいい?
4. 企業がマイナンバー制度で気を付けるべきことは?
4-1 企業がまずしなければならないこととは?
4-2 企業が安全にマイナンバーを取り扱うためにすべきことは?
5. マイナンバー制度を有効活用するためには
1. まずはマイナンバー制度について知りましょう
最近、よく耳にする「マイナンバー制度」とは、一体どのようなものなのでしょうか。
「マイナンバー制度」とは、大きく分けて3つのことを目的とされてつくられた制度です。
(1) 「国民利便性の向上」
(2) 「行政の効率化」
(3) 「公平・公正な社会の実現」
では、この3つの目的を細かくご紹介いたしましょう。
1―1 「国民利便性の向上」とは?
「国民の利便性の向上」とは、マイナンバーを使用することにより、窓口で情報を照会することが出来るので、社会保険などの各種申請をする際、添付が必要な書類が減ることを指します。
1―2 「行政の効率化」とは?
「行政の効率化」には、二つの理由があります。
一つ目は、各機関での作業工程が減り、行政手続きが早く正確になること、二つ目は、被災者台帳の作成など、災害時の行政支援に活用されることです。
1―3 「公平・公正な社会の実現」とは?
「公平・公正な社会の実現」にも、二つの理由があります。
一つ目は、所得の把握を正確に行い、適正でかつ公平な課税を行うことが出来るようになること、二つ目は、未払いや不正受給などが起こっている年金制度の問題を解決、社会保障の給付を完璧にすることです。
1―4 3つの項目からわかるマイナンバーの目的とは?
このような目的を持って、「マイナンバー制度」は施行されました。
「マイナンバー(個人番号)のお知らせ・個人番号カード交付申請のご案内」にも記載があるように、「マイナンバー」とは、「利便性」、「効率性」、「公平・公正」のための番号として、全国民に交付された個人番号なのです。
2. マイナンバー制度と個人番号カードとは?
マイナンバー制度とは一体どのようなものなのでしょうか。また、マイナンバーが知らされる際、同封される「通知カード」と申請しないと交付してもらえない「個人番号カード」とは一体どのようなものなのでしょうか。
ここでは、マイナンバーが通知されてから、個人番号カード申請・交付までの一連の流れをご紹介いたします。
(参考記事)
【マイナンバーに関するQ&Aが内閣官房のHPで公表されました】
※専門家プロファイル登録 近江 清秀 様 掲載コラムより
2―1 マイナンバー制度とはどんなもの?
マイナンバー制度とは、住民票を有する全ての国民に対して、1人1番号とする「マイナンバー(個人番号)」を住所地の市町村長が指定する制度のことを言います。原則として、一度指定されたマイナンバーが生涯変わることはありません(例外については、「3―4 マイナンバー制度の犯罪やトラブルに巻き込まれたらどうすればいい?」を参照のこと)。
国の行政機関や地方公共団体などでは、社会保障、税、災害対策の分野で保有する個人情報とマイナンバーを関連付け、効率的な情報の管理と活用をし、情報連携することが出来る制度です。
また、個人番号カードを申請し、交付されるとさまざまな便利なサービスを受けることが出来ます。ちなみに個人番号カードの交付は無料です。但し、紛失その他に伴う再交付の手数料は有料となっていますので、紛失等にはくれぐれも気を付けましょう。
2―2 個人番号カードってどんなもの?
マイナンバーが発行されると、「通知カード」という紙で出来たカード(自分で切り取らなければなりません)が届きます。この通知カードで自分のマイナンバーを知ることが出来ます。ですが、これはマイナンバーを知り、「マイナンバーを証明する書類」として利用出来るだけであって、生活をしていく上で便利さを実感出来るようなサービスを受けることは出来ません。
そのため、さまざまな便利なサービスを受けるためには、「個人番号カード」を申請する必要があります。
2―3 個人番号カードの申請の仕方について
「個人番号カード」を申請するには、4つの方法があります。
≪申請方法その1「郵便で申請する場合」≫
「通知カード」の下についてある「個人番号カード交付申請書 兼 電子証明書発行申請書」という紙の両面に必要事項を記入し、裏面に縦4.5センチ×横3.5センチの顔写真を貼り付け、捺印し、同封されている返信用封筒に入れて送付します。
≪申請方法その2「スマートフォンで申請する場合」≫
まず、スマートフォンのカメラ機能を使用し、顔写真を撮ります。次に「通知カード」の「個人番号カード交付申請書 兼 電子証明書発行申請書」についているQRコードを読み取ります。QRコードを読み取れる機種でない場合は、専用のアプリをダウンロードする必要がありますので、ご使用中のスマートフォンに合わせて、対応しなければなりません。QRコードを読み取ったら、申請用WEBサイトにアクセスしましょう。そこでメールアドレスを登録したら、申請者用の申請用WEBサイトのURLが登録したメールアドレスに送られてきます。その後、申請用WEBサイトの案内に従って必要事項を入力しましょう。その後、顔写真を送信して、申請が完了します。
≪申請方法その3「パソコンで申請する場合」≫
「パソコンで申請する場合」「スマートフォンで申請する場合」と手順は似ています。
まず、デジタルカメラなどで顔写真を撮ります。その写真をパソコンに保存しましょう。次にパソコンの検索サイトから「個人番号カード 申請」と検索し申請用WEBサイトにアクセスするか、または申請用WEBサイトのURL(httrp://net.kojinbango-card.go.jp)を直接アドレスバーに入力して、申請用WEBサイトにアクセスしてください。この時、サイトが真正であるか確認するのを忘れずにしましょう。
申請用WEBサイトにメールアドレスを登録すると、登録したメールアドレスに通知される申請者用の申請用WEBサイトのURLが送付されます。そのURLから申請用WEBサイトの案内に従って必要事項を入力しましょう。その後、顔写真を送信して、申請が完了します。
≪申請方法その4「まちなかの証明用写真機で申請する場合」≫
まず、申請が出来る証明用写真機に「個人番号カード交付申請書 兼 電子証明書発行申請書」を持参します。証明用写真機の中に入ったら、タッチパネルから「個人番号ハード申請」を選択します。選択し終わったら、撮影用のお金を入れましょう。その後、「個人番号カード交付申請書 兼 電子証明書発行申請書」のQRコードをバーコードリーダーにかざします。画面が表示されたら、必要事項を入力し、顔写真を撮影して、送信したら申請が完了します。
但し、証明用写真機は申請出来る機械と申請出来ない機械があるため、確認することが必要です。現在、利用量の多い場所の証明用写真機から順次対応予定となっています。
また、写真を撮る際には、下記4点を満たしていなければなりません。
●6ヶ月以内に撮影したもの。
●正面を向いているもの。
●無帽・無背景のもの。
●裏面には「氏名」、「生年月日」を記入する(郵便申請の場合)。
また、下記6点に該当するものは上記を満たしていても使用することが出来ません。
●顔が横向きのもの。
●無背景でないもの。
●正常時の顔貌と著しく異なるもの。
●背景に影のあるもの。
●ピンボケや手振れにより、不鮮明なもの。
●帽子、サングラスなどを身に着け、人物を特定出来ないもの。
このように提出する写真に注意が必要な理由としては、個人番号カード交付の際、カードに添付された顔写真と本人の同一性を確認することがあるためです。この時、顔認証システムを利用する場合があるので、しっかりと顔写真を取る必要があります。
「個人番号カード」の申請方法は多く、自分が申請しやすい方法を選ぶことが可能ですので、自分に合った申請方法を選ぶと良いでしょう。
2―4 個人番号カードを受け取りましょう
「個人番号カード」の申請が終わったら、平成28年1月以降、交付所などのお知らせが交付通知書(はがき)で申請者の自宅に届けられます。
交付通知書が届いたら、記載されている交付場所に下記の持ち物を持って、受け取りに行きましょう。
≪「個人番号カード」の受け取りに必要な持ち物≫
●交付通知書(はがき)
●通知カード
●本人確認書類(うち1点)
⇒住民基本台帳カード(但し、写真付のもの)、運転免許証、運転経歴証明書(交付年月日が平成24年4月1以降のもの)、旅券、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育帳、在留カード、特別永住者証明書、一時庇護許書、仮滞在許可書
※但し、上記を持っていない場合は、「氏名・生年月日」または「氏名・住所」が記載され市区町村が適当と認める2点が必要となります。
●住民基本台帳カード(持っている場合のみ)
●代理権の確認書類(15歳未満の者または成年後見人の法定代理人のみ)
基本的に本人が受け取りに行かなければなりませんが、限られた場合のみ、受け取りを委任することが出来ます。代理人が受け取りに行く場合は、委任状をはじめ、一部必要な持ち物が上記と異なるため、確認してからお願いしたり、代理で受け取りに行ったりしましょう。
また、下記4つの暗証番号を決めなければなりませんので、事前に暗証番号を考えておくと良いでしょう。
●「署名用の電子証明書」用……英数字6文字以上16文字以下
●「利用者証明書」用……数字4ケタ
●「住民基本台帳事務用のアプリ」用……数字4ケタ
●「住民基本台帳事務用のアプリ」用……数字4ケタ
但し、「利用者証明書」用、「住民基本台帳事務用のアプリ」用、「住民基本台帳事務用のアプリ」用は同じ暗証番号を設定することが可能です。
ですが、暗証番号は安全面から全て別のものにすることが推奨されていることも多いので、よく考えてから設定しましょう。
2―5 個人番号カードのセキュリティについて
個人番号カードについて、気になるものの一つとして、セキュリティがあげられるでしょう。
たとえば、紛失してしまった場合は、24時間365日運営されているコールセンターがあり、電話をすると、個人カードの一度停止措置を取ることができ、なりすましを事前に防ぐことが出来ます。
また、文字をレーザーで刻み、複雑な彩文パターンが施されているため、偽造も難しくなっています。
このようにセキュリティにも配慮されたものとなっているのです。
3. マイナンバー制度のメリットとデメリット
ここまで、マイナンバー制度とはどんな制度であるかということや、マイナンバー制度をよりよく利用するために申請する「個人番号カード」の申請方法などをご紹介しました。
ここでは、マイナンバー制度のメリットとデメリットをご紹介いたします。
3-1 マイナンバー制度のメリットとは?
マイナンバーにはさまざまなメリットがあります。
●マイナンバーを証明する書類として利用することが出来る。
●本人確認の際、身分証明書として利用することが出来る。
●市区町村や国が提供するサービスを1枚で利用可能(今後は健康保険証としての利用を可能にする動きもあります)
●各種行政の手続きをオンライン申請することが出来る(マイポータルは平成29年1月に開設予定)。
●各種民間のオンライン取引(ネットバンキングなど)に利用出来るようになる(見込みのため、開始日未定)。
●今までは出来なかった「コンビニでの証明書の取得」が可能(取得可能書類:住民票写し、印鑑登録証明書、住民票記載事項証明書、各種税証明書、戸籍証明書、戸籍の附票の写し。但し、住民票の写し及び印鑑登録証明書以外は、対応していない市区町村もあります)。
●署名用の「電子証明書」としての利用が出来る(例:e-taxなど)。
●利用者証明用の「電子証明」としての利用が出来る(マイポータルやネットバンキングなどのログインなど)
≪「コンビニでの証明書の取得」についての補足事項≫
今まで役所が開いている間に書類を取りに行くには、有休や代休を使わなければ無理である、という声を勤めている方から聞くことや実際に経験されたことが一度はあることでしょう。そのような不便な点がコンビニで書類を受け取れるようになり、改善されます。
また、6:30~23:00まで平日だけでなく、土日祝(但し、12月29日~1月3日)も受け取れるので、時間や曜日を気にしなくても良くなります。
また、全国約47000店舗で取得することが可能です。このサービスが受けられるコンビニ・スーパーマーケットは「セブン-イレブン」、「サークルKサンクス」、「ローソン」、「ファミリマート」、「セイコーマート」であり、一部店舗のみ利用出来るのは、「コミュニティ・ストア」、「セーブオン」、「Aコープ北東北」、「Aコープ鹿児島」、また千葉県内2店舗及び埼玉県内1店舗で利用出来るのは、「イオン」(営業時間内に限る)となっています。
≪「マイポータル」についての補足事項≫
「マイポータル」とは、行政機関がマイナンバーの付いた自分の情報をいつ、どことやりとりしたのか確認出来るサービスのことを言います。
その他、行政機関が保有する自分に関する情報や行政機関から自分に対しての必要なお知らせ情報等をインターネット上で確認出来るよう整備される予定です。
また、平成29年1月から利用出来る予定となっています。
これらのメリットは今まで不便だった生活の一部を便利にしてくれるでしょう。
3-2 マイナンバー制度のデメリットとは?
さて、先に述べたようにマイナンバー制度にはさまざまなメリットがあります。しかしながら、メリットがあれば、デメリットも存在します。ここでは、マイナンバー制度のデメリットについてご紹介いたします。
●マイナンバーが外部に漏れた場合、個人情報が流出してしまう可能性がある(但し、芋づる式に情報が漏えいすることは基本的にはありません)。
●なりすましや詐欺などの犯罪に使用される可能性がある。
●全ての収入が把握されるため、本業の会社に黙ってしていた副業がバレる。
≪マイナンバーが漏れた場合の補足≫
マイナンバーを第三者に知られると、どんなことをされてしまうのか、なかなか想像がつかないかもしれません。
マイナンバーを第三者に知られてしまった場合、たとえば、「住民票の異動」や「 印鑑登録」、「婚姻届の提出」などを自分の意思に反して行われてしまう可能性があります。
また、今後、民間のオンライン取引などにも利用出来るようになった場合、上記以外に自分の意思に反して行われてしまう可能性もあります。
≪犯罪に使用される可能性についての補足≫
※「3-3 マイナンバー制度にまつわる実際の事件とは? 」を参照してください。
≪副業がバレることについての補足≫
本業以外にも副業を持っている方は、一番気になっていることではないでしょうか。では、なぜ、副業が本業の会社にバレてしまうのでしょうか。
まず、勤務先(本業・副業ともに)にマイナンバーを提出しなければならなくなります。確定申告をされたことのある方ならわかると思いますが、複数の給与受給先がある場合、確定申告が必要です。確定申告をすると、副業で稼いだ金額を含めた住民税額が本業の会社に通知されるので、副業をしていること自然とバレてしまうのです。
副業を禁止している企業もありますので、今一度、副業に問題がないか、確認した方が良いでしょう。
このように大きく分けるとデメリットはメリットに比べ、少ないように思われるでしょう。しかし、マイナンバーが自分以外の人に知られてしまった場合の被害はメリットを越えるほど、大きなものになってしまうかもしれません。それだけに取り扱いには十分な注意が必要と言えます。
(参考記事) マイナンバーで副業がばれる? ※専門家プロファイル登録 大黒たかのり 様 掲載コラムより
3-3 マイナンバー制度にまつわる実際の事件とは?
すでにマイナンバー制度にまつわる事件はいくつか起こっています。
記憶に新しいのは、2015年10月に起きた「マイナンバー制度の収賄」事件でしょう。
この事件は、容疑者がマイナンバー制度の導入に絡むシステムをIT関連業者に受注する見返りとして、現金約100万円を受け取ったというものです。
また、詐欺も多発しています。マイナンバーを利用した詐欺は大きく分けて、三つに分類されます。
●「劇場型」
●「個人情報収集型(振り込め詐欺事前調査)」
●「便乗型」
「劇場型」の詐欺の場合、複数人から電話がかかってきて、まるで芝居のようにストーリーが進んでいきます。マイナンバー制度を利用した劇場型の詐欺では、役所の職員を名乗る人間から「あなたのマイナンバーが流出しているので、取り消すために取り消し料を払え」などと電話がかかってきて、現金を要求されることが多いのが特徴です。
また、「個人情報収集型」というのは、マイナンバー制度を語り、家族構成を尋ねたり、アンケートに答えるよう求めてきたりする電話がかかってくるというものを言います。これは「事前電話」とも呼ばれており、詐欺をするための情報を収集するために行われているものです。このような電話がかかってきても安易に答えず、まずは内閣官房のサイトにある「不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください」(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/sagityu-i.html)を確認しましょう。
そして、「便乗型」とは、マイナンバーにまつわる「架空請求メール」が送られてきたり、「セキュリティーに70万円かかります」や「あなたの貯金がわかってしまう。金を隠し財産に」とマイナンバーに便乗した詐欺電話がかかってきたりするものを言います。
上記三つを見ていただくと、「振込め詐欺」や「還付金詐欺」、「架空請求」などと同じ手段が取られていることがわかります。
このように、収賄事件から詐欺など、さまざまな犯罪にもマイナンバー制度は利用されてしまっているのです。
こういった事件の話を聞くと、多くの方は「自分は大丈夫」と思ってしまいがちですが、マイナンバー制度をよく理解していないと、事件に巻き込まれてしまうこともありえます。ですので、マイナンバーがどんなものであるかを知り、犯罪に巻き込まれないように細心の注意を払うことが必要です。
(参考記事)早くもマイナンバー詐欺が ※専門家プロファイル登録 岡崎 謙二 様 掲載コラムより
3―4 マイナンバー制度の犯罪やトラブルに巻き込まれたらどうすればいい?
マイナンバー制度を悪用した犯罪やトラブルに気を付けていても、巻き込まれてしまうことはあるでしょう。
そうした時にどのように対処すれば良いかを知っておくことが大切です。
万が一、自分が意図しない第三者にマイナンバーを知られてしまった場合は、悪用されるのを事前に防ぐため、本人の請求などにより、マイナンバーを変更することが可能になっています。また、通知が始まってから、日本郵便によるマイナンバーのご配達がなされた際もマイナンバーの再発行を自治体に依頼するなど、第三者に知られた場合、マイナンバーの変更や再発行で解決することが出来ます。
もし、紛失してしまった場合も同じく、マイナンバーの変更を申請することが可能です。
その他、個人情報保護法よりも罰則の種類が多く、法定刑も重い、「番号法」と呼ばれる法律も制定されています。
4. 企業がマイナンバー制度で気を付けるべきことは?
マイナンバーを扱うのは、個人だけではありません。企業は社員のマイナンバーを管理しなければならいなのです。
ここでは、企業におけるマイナンバーの取り扱いの注意点についてご紹介いたします。
4-1 企業がまずしなければならないこととは?
企業は下記の準備をする必要があります。
≪事業者内部の整備として≫
●番号関連業務の洗い出し
●マイナンバー制度に関する運用規程の作成
●マイナンバー制度に関する体制等の整備
●対象業務にかかるシステムの改修作業
●社員等へのマイナンバー制度に関する教育
マイナンバーに個人情報がたくさん詰まっていることは、ご説明させていただきましたが、それを扱う企業はその大切なマイナンバーを預かり、必要に応じて、使わなければなりません。そのため、知識を得ると同時に社員への教育を徹底する必要があります。
(参考記事)
マイナンバー制度の準備はできていますか?(法人編)1.準備のポイントをご紹介します
※専門家プロファイル登録 菅田 芳恵 様 掲載コラムより
※専門家プロファイル登録 本森 幸次 様 掲載コラムより
4-2 企業が安全にマイナンバーを取り扱うためにすべきことは?
基本的な準備が出来たら、次はいかに安全にマイナンバーを取り扱うかを考えなければなりません。そのために下記のことが必要になってきます。
≪規定運用の監視として≫
●特定個人情報の安全な管理方法の検討
●事務における責任者の設置
●事務取扱担当者が取扱規定等に違反している事実又は兆候を把握した場合の責任者への報告連絡体制の整備
●特定個人情報ファイルの削除・廃棄記録の方法の検討
≪外部攻撃等の漏えい対策として≫
●アクセス制御をする
●外部からの不正アクセス等の防止を実施
●情報漏えい等の防止の実施
このように社内での取り扱いだけでなく、外部からの攻撃に備えることも必要です。それほどまでに、マイナンバーの取り扱いには慎重にならなければなりません。
(参考記事)
マイナンバー制度の準備はできていますか?(法人編)1.準備のポイントをご紹介します
※専門家プロファイル登録 菅田 芳恵 様 掲載コラムより
※専門家プロファイル登録 本森 幸次 様
5. マイナンバー制度を有効活用するためには
マイナンバー制度は順次通知され、これから私たちの生活に根付いていく制度です。
もちろん、メリットだけでなく、デメリットも存在する制度ではあります。
ですが、第三者にマイナンバーを教えない、マイナンバーを知られてしまった場合は速やかに対処するなど、事前にマイナンバー制度をよく知り、知識を持っていれば、防げることも多々あります。
ですから、本格的にマイナンバー制度の利用が始まる前にナンバー制度について詳しく知る努力が私たち国民には必要となってくるでしょう。