田中 勲(住宅Gメン)- コラム「建売住宅の寿命について」 - 専門家プロファイル

田中 勲
『住宅ローン』『住宅診断』『非破壊検査』など不動産の専門家

田中 勲

タナカ イサオ
( 東京都 / 住宅Gメン )
仲介手数料無料ゼロシステムズ 代表取締役
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建売住宅の寿命について

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2018-02-05 23:44

建売住宅の寿命については、よくご質問を受けます。

建売住宅の寿命は短いと思われがちですが、近年の建売住宅は、ローコスト住宅であっても昔の建物よりも長持ちするはずです。

建築時に適切に施工された現代の建売住宅であれば、最低でも40~50年は問題なく住めます。

当然、他のご回答者様のおっしゃるとおり、お住まいになってからのメンテナンス次第とも言えますが、建物は、塗装やコーキングなどの防水関連の修繕を適切に行なえば、木造の建売住宅であっても今の建物仕様であれば50年以上は住むことが出来ます。

しかし、建築時にいい加減な施工をされた建売住宅では、いくらメンテナンスをしっかり行なっても長持ちいたしません。

そもそも建築時にいい加減な施工をされた建売住宅では、いくらメンテナンスをしても、根本に問題を抱えていると、修繕費用ばかりかかります。

結果、費用対効果を考えて10年足らずで建替えを選択したユーザーの相談も受けたことが御座います。
これは、『建売住宅だから寿命が短い・・・』、『注文住宅だから長持ちする・・・』という、単純なひとくくりで判断するものでは御座いません。

建売住宅に限らず注文住宅であっても、現場で建築に携わる職人と現場監督次第で、中には、いい加減な施工の新築が生まれてしまうことが御座います。

新築住宅のいい加減な施工事例は以下をご参照ください。
http://www.0systems.com/index-m04.html

適切に建築された(欠陥住宅や手抜工事のない)新築であれば、建売住宅であっても問題なく40~50年は、住むことが出来ます。

このような物件であれば、適切な時期に適切なメンテナンスを施せば木造であっても50年以上住むことが出来るはずです。

但し、いい加減に施工された新築は、いくらメンテナンスをしても長持ちしません。
特に、防水、断熱、基礎に部分のいい加減に施工されると短命な建物となり得ますので注意が必要です。

◆今の建売住宅が長持ちする理由
20数年前に建築された建売住宅と、近年の建売住宅の仕様では、下記の点が大きく異なります。

昔:布基礎が標準(床下を見ると土が見える基礎)
今:べた基礎が標準(床下全体が鉄筋コンクリート造の基礎)

昔:基礎高が20cm~30cm程度で通気口(風穴)
今:基礎高が40cm以上で基礎パッキン

昔:木製の束が主流
今:鋼製束が主流
これだけでも、基礎の強度や白アリや湿気の影響で木造住宅であっても土台が腐食する可能性が大幅に減少しました。

昔:モルタル吹付仕上の外壁
今:サイディング

近年のサイディングは、光媒体や雨水で汚れを落とすセルフクリーニング機能があるため、モルタルと違い外壁塗装を10年ごとに行う必要がなく、継ぎ目のシーリング処理のメンテナンスをすれば、外壁塗装は、モルタル仕上げの外壁よりも長いスパンで済むようになりました。

また、屋根もコロニアル葺きだけでなくアスファルトシングル葺きやガルバリウム鋼板などの素材も出てきており屋根の軽量化と長寿命化に貢献しています。

このように日々、建売住宅の仕様も日々更新しております。

しかし、何度も言うように、いくら建物仕様が更新されようとも、適切に施工されていなければ、建物は長持ちしないということです。

従って、建売住宅をご購入される場合は、一級建築士に建物診断をしてもらい、建物の良し悪しを見極めてから契約することをお奨めいたします。

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