成績不振の原因はナニ? 言い訳にしないために その2 - 中学校受験対策 - 専門家プロファイル

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成績不振の原因はナニ? 言い訳にしないために その2

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前回の「その1」で、「他教科の成績が芳しくないことについて、『国語が元凶である以上仕方がない』とおっしゃる方は、思いと行動のつじつまがあわなくなってしまうほど、お子さんの成績のことで悩みに悩んでいらっしゃることが覗える」と書きました。

 

今回は、なぜ私がこのような判断をするのかについてお話ししたいと思います。

コラム「国語ができないから、算数の文章題も……って、ホント? その3」の最後のところで「国語ができないから、算数(あるいは、理科、社会)の文章題も……」という言葉は、受験生本人からはまず聞くことがないという事実をご紹介しました。

 

中学入試の最大のポイントは、受験生本人のほかに「保護者」の存在というものが大きくかかわっていることにあります。

もちろん、小学受験の方がより大きくかかわっていますが、通常「保護者面接」という「直接」かかわる場が用意されていますし、「行動観察」というものも、それこそ日常の子育てがそのまま反映される場であるため、保護者が「自分で自分の尻を拭ける入試だと言えます(下品でゴメンナサイ)。また、高校入試や大学入試にも、それにかかわる保護者の方がいらっしゃらないわけではありませんが、その人数も関わり方の深さも中学受験と比べれば、少なくそして浅いと言えるでしょう。

つまり、中学入試の場合、受験現場に保護者が直接かかわれないにもかかわらず、受験生に対しては保護者として深くかかわっていかなくてはならないのが特殊です(多少とも「直接的な形」でかかわれるのは、ご自身がある教科の指導をする場合でしょうか。しかし、このような場合でも「大変ツライ思い」をされている保護者の方もいらっしゃいます。コラム「俺の子なのに…… 私の子だから……(仮題)」として、現在準備中です。いずれ投稿しますので、しばらくお待ちください)。

受験生の保護者として、志望校を決定したり、塾や家庭教師を選んだり、成績を把握し、日々の学習計画を管理し、受験生を褒めたり、叱ったり、励ましたり……、塾や家庭教師に任せられることもないわけではありませんが、かかわろうと思えば際限なくかかわっていくこともできます。

競技スポーツにおける、プレイヤーとコーチのような関係と言えばよいでしょうか。かかわり方はさまざまですから、コーチは塾や家庭教師で、保護者はマネージャーというかかわり方も考えられますし、保護者は監督(ヘッドコーチ)だというかかわり方もあるでしょう。

いずれにせよ、プレーヤーたる受験生の横(上かな?)にいるのが保護者だと言えます。

直接プレーするわけではありませんから、冷静でいられれば、状況を客観的に見てどうすればよいか的確に判断を下し指示を出すことができるでしょう。受験生本人は、日々の学習に専念すればよくなります。ですから、高校入試や大学入試に比べて、受験生本人の負担を軽くしてあげられます。

保護者は、プレーヤーではないため、このように広い視野で情報を収集し客観的な判断を下すことが可能になることも多いのですが、広く見渡せる分、あるいは、離れている分、本来無関係なものまでが関係があるかのように見えてしまったり、ひとつひとつは事実であるとしても、それらを「因果関係」で結びつけてはいけないことを結びつけてしまったりすることも少なくありません。「他教科の成績が伸びないことを国語のせいだと考えてしまうこと」も後者のひとつだと言えます。

 

唐突ですが、「青魚(鰯や秋刀魚、鯖などの白身と赤身の中間のような色をした身の魚です)を食べると、頭が良くなる」って聞いたことがありませんか。青魚に限定したものではありませんが、歌までありましたよね。

この「青魚を食べると、頭が良くなる」という説ですが、その根拠は、「青魚に多く含まれるDHA(横浜ベイスターズを買った会社じゃないですよ。あれは、DeNA。ドコサヘキサエン酸、Docosahexaenoic acid のことです)が、これが脳のどこかを刺戟して、その結果、頭が良くなる」というものです。実は、これ残念ながら事実ではなかったんですね。細かいところは省きますが、幾つかの研究機関から研究結果が発表されています。大阪大学大学院 生命機能研究科 認知脳科学研究室のHPには、「『DHAで頭が良くなる』という説がありますが、これは『不足すれば脳の活動は低下するが、補給すれば元に回復する』ことです。 すなわち『持って生まれた知能レベルはDHAの投与で良くなるのではない』ということです」と書かれています。

では、どうしてこのような説が広まったのでしょうか。これは、アメリカのある研究者が「欧米の子どもより日本人の子どもの方が知能指数が高い」という調査結果と、「日本人は、欧米人に比べて青魚をよく食べる」という調査結果を、「因果関係」で繋ぎ、仮説を立てたのが最初らしいです。

 

「ふたつの事柄がともに事実だったとしても、それらを『因果関係』で繋ぐことはできない」という点で、「国語ができない、『だから』算数の文章題もできない」と考えてしまうこととよく似ています。また、富山医科薬科大学の研究によれば、「頭が良くなる」とはいえないものの、「血をさらさらにして循環器系の病気を防ぐほか、抗アレルギー作用や記憶改善作用、視力低下の抑制」などの効果は期待できるそうで、「まったくの無関係とは言えない」という点でもよく似ています

「仮説を立て、それを検証していく」のが科学ですから、否定された仮説など山ほどあるのは当然で、「青魚を食べると、頭が良くなる」という仮説を立てたこと自体に罪はないですよね(もちろん、学者なのに「青魚を食べているのに、さほど頭の働きの良くない人」や「青魚を全く食べないのに、頭のいい人」がいっぱいいるという事実に気づかなかったのはまずいと言えますが)。ただ、仮説の段階で(きちんと検証されないまま? どちらかはわかりませんが)、広まった(広められた?)のは、迷惑でしたね。

そろそろ文字数が一杯になりそうなので、次回の「その3」では、「これらのことからどんなことが言えるのか」についてお話ししたいと思います。

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(愛知県 / 家庭教師)
岡松教育進学研究所 代表

「子どもを思う」保護者に寄り添い、期待に応えるプロでありたい

公立学校教諭、大手予備校講師として25年。問題作成・問題分析のプロとして入試問題、問題集などを執筆し、進学・学習講演活会の講師を務めています。これらに裏打ちされた、指導方法、指導内容、アドバイスの「引き出し」の数、量、質には自信があります。

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