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閲覧数順 2024年05月04日更新

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親学講座に参加しました。

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先日、町主催の親学講座に参加しました。
これは5回の講演会と2回の学習会で構成された年間行事で、昨日の講演会が最終日でした。


今回の講師は、京都造形芸術大学教授の寺脇研氏と、関西学院大学教授の神野直彦氏。



寺脇先生の講演テーマは「さらば ゆとり教育」

ゆとり教育が学力の低下を招いたなどの話があるが、良い悪いの問題ではない。過去には、教育は学校まかせ・知らないおじさんと話はするな・・・といったことも見られた。
ゆとり教育が始まってから、過去と比較しても家庭教育の必要性や地域のあいさつ運動など、この時代、今後の未来をどうするのか考えた上で進化したのは事実である。

いわゆるゆとり世代と言われる中においては、負け組を作らないように勝ち組にはならなくても良いという感覚もある。
考察によっては、日本経済を支える世代として覇気がない・中国にのまれるのではという感覚もある。

とある時期に日中の学生が交流会を開催した。交流会の途中でリンゴが差し入れられた。日本の学生は皆に行き届くように何個に切り分ければよいか、と行動したが、中国の学生は動かなかった。その背景には、リンゴの皮がむけなくても勉強ができる・経済社会をけん引出来る能力こそが評価の最たるものという考え方があるのではないか。
どちらが正しいという事ではなく、この時代に求められているのはどういう事なのかを皆で考えて、どういう方向にかじを取るのか考えることが大切。


神野先生の講演テーマは「教育再生の条件・経済学的考察」

「新しい公共」という理念を掲げた鳩山内閣。
すべての人間に、居場所と出番があるという事。
では公私とは何なのか。漢字の語源は・・・(禾)はお米の意。(ハ)は屋根。(ム)は肘を表す。
「私」=お米を独占する。
「公」=肘を屋根で押さえつける。
教育論で言うと、曲がりたくないのに針金などで矯正し枝を曲げるところから、型にはめる盆栽型教育と、伸びたいように、虫がつかないように肥料をやったり虫を捕ったりする栽培型教育に分かれる。

先進事例の一つ、スウェーデンは、後者の考え方が行き届いている。評価の仕方も、悪いところを指摘しても平均点にしかならないから、良いところを評価して、伸ばしてあげる。だから、担任の先生も生徒が選ぶ。たとえばピアノの素質があると評価すれば、その子のために専門の教育を受けられる学校でなければならない。

最後に、スウェーデンの中2生の教科書に載っている詩を神野先生が紹介してくださいました。

批判ばかりされた 子どもは
非難することを おぼえる

殴られて大きくなった 子どもは
力にたよることを おぼえる

笑いものにされた 子どもは
ものを言わずにいることを おぼえる

皮肉にさらされた 子どもは
鈍い良心の もちぬしとなる

しかし、激励をうけた 子どもは
自信を おぼえる

寛容にであった 子どもは
忍耐を おぼえる

賞賛をうけた 子どもは
評価することを おぼえる

フェアプレーを経験した 子どもは
公正を おぼえる

友情を知る 子どもは
親切を おぼえる

安心を経験した 子どもは
信頼を おぼえる

可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じとることを おぼえる





教育とは、文字通り教え育てる事です。

それは、子どもに限らず企業や社会も同じ事だと思います。

未来や目標に向かって、いま何が必要で何を行動していくのか、考えさせられた一日でした。

皆さんは、どうお感じになりますか?