各党のマニフェスト出揃う - コラム - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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閲覧数順 2024年04月15日更新

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各党のマニフェスト出揃う

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31日夕方、自民党からもマニフェストが公表され、民主党のマニフェストも
27日のものを正式なものと考えれば、これで各党のマニフェストが出揃った。

今回のマニフェストの発表については、ドタバタがあったとはいえ、
自民党に先駆けること4日間早く民主党が発表したことをまずは評価したい。
私は、ここで年末の税制改正大綱の民主党側の発表の遅さを酷評してきたが、
自民党よりも早く発表したことに大きな意義を認めるべきであろう。
そして何よりも、自民党のマニフェストを見ると、民主党のマニフェストを
意識した公約が散見できることがはっきりしている。
それだけ、自民党と民主党のマニフェストは、細部の違いはあるものの、
大半のものについては、非常に近いものであることが理解できよう。

それであれば、リーマンショック以降の金融不況に対して、自民と民主が
挙党一致体制で急場を凌ぐための政策論議がなぜできなかったのだろう。

政策よりも政局に拘りながら、解散まで追い込めなかった小沢前民主党代表の
失態であるかもしれない。
早期解散に追い込めないのであれば、麻生政権の付け焼刃的な経済対策を
より真剣な政策論議で論破するべきではなかったのか。
その方が国民に、民主党の政権担当能力をより現実的にアピールできた
のではないだろうか。

さらに、世襲政治を批判するチャンスでありながら、民主党の一部でも
世襲が行われている現実を整合性を取れる形で国民に説明しなかったことが、
絶好のチャンスを失わせたのかもしれない。
それも、前回まで2度の選挙に刺客として立候補してきた菅直人代表代行の
長男が今回は立候補しないと言うではないか。

内部に対しても徹底して正論を貫かなければ、魑魅魍魎が跋扈する官僚政治を
打破することも困難ではないのか。

ただ、自民党マニフェストに議員定数の削減と世襲候補の非公認を明記
させたことは大いなる評価と言えよう。(次の次の選挙までにではあるが)

また、来るべき民主党政権で最優先の課題となるであろう社会保障問題
について、自民党マニフェストは2011年度までに、納税者番号制度と
連動する番号管理体制の完成を明言した。
失われた年金が二度と発生させないためには、税と社会保障の二重管理では
無駄が多く、また、従来、プライバシーの問題から批判的に捉えられてきた
納税者番号制を導入しなければ、人為的なミスを見抜けないだけに、
納税者番号制を導入し、社会保障番号との連動を前提に、議論されるべきであろう。
私はこれに、住民基本台帳番号も連動させるべきであると考えている。
ただ、国と地方の主管の問題にも発展するだけに、拙速な結論を出すべき
ではなく、時間をかけて議論をすべきであろう。
これは鳩山氏の次の内閣に課せられる課題となると考えている。

双方のマニフェストの比較をするつもりであったが、鳩山氏のマニフェスト
発言でやる気をなくしてしまったものの、自民党マニフェストがあまりに
民主党マニフェストを意識した内容であっただけに、4日間も空けたことに
憤りを感じる。
自民党は自らの寄って立つマニフェストを他人と比較して考える反対のための
反対を終始したかつての野党と同じスタンスに立って考えたのか。
現在の政権与党でありながら、既に負けを覚悟して、大敗しないための
政策を打ち出したように感じてしまうのは私だけではあるまい。

私も来るべき鳩山政権と書くが、このままならおそらくそうなるであろう。
それは、そうなるべく自民党が動いている結果である。

政権与党ならば、なぜ堂々とこれまで行ってきた政策を全面に出さないのか。
それとも、その政策を全面に出せないからこうなったのか?

自民党の執行部にも猛省を求めたいところだ。

それにしてもそういう政治家しかいなくなってしまったのか?

そうでないことを信じたいものである。