大塚 嘉一(弁護士)- Q&A回答「事業承継人の立場からすべてを見直すこと」 - 専門家プロファイル

大塚 嘉一
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大塚 嘉一

オオツカ ヨシカズ
( 弁護士 )
菊地総合法律事務所 代表弁護士
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事業承継に伴う株式の購入

法人・ビジネス 事業再生と承継・M&A 2023/09/09 08:12

夫の勤務先の社長が急逝したため、夫が代わりに社長になりましたが、株式を購入しなければならなくなりました。
毎月会計監査にきている税理士事務所は、夫に負担が少なくなるよう、給与を引き上げ、それで毎月、少しずつ株式を購入するという契約書を出してきました。10年かけて株式を購入して行く予定のようです。
引き上げた給与分を、社長の奥さんの口座に振替て株式購入することを前提にしていたようですが、銀行から法律上問題ないのか、ストップがかかっていると聞きました。株式を購入する方法として問題ないでしょうか?

yori1205さん ( 栃木県 / 女性 / 52歳 )

事業承継人の立場からすべてを見直すこと

2023/09/09 16:46
( 4 .0)

 ご主人が会社の株式を購入することになった、とのことですが、総株式なのか、一部なのか、代金はいくらなのか、その他の条件がご主人の権利を確保する内容となっているのか、検討されたのでしょうか。
 まず大事なのは、株式の割合です。少なくとも50%を超える株式を取得することが必要です。株主総会で取締役の選任、退任を決定するのに必要だからです。次に、株式取得の時期です。株式を契約と同時に取得し、その代金を分割で支払う、ということであればよろしいのですが、代金を分割して支払い、その都度、それに応じた株式を取得する、と言うのでは、場合によっては、まだ会社はご主人のものとは言えず、ご主人の会社経営に支障をきたすということがありえます。また、株式の代金、評価方法については、数種類の手法があり、どれを採用したのでしょうか。ご主人に不利な金額になっていませんか。
 事業承継は、譲渡人と譲受人との間で、現に紛争が生じていないとしても、少なくとも潜在的には、利害の対立があります。ご主人の立場に立って、ご主人の利益を確保する、という観点から、法律については弁護士の、税については税理士のアドバイスを受けることが望ましいことは言うまでもありません。
 その他、会社が従前の取締役に相当額の退職金を支払う、会社が第三者から借り入れを行うなどして、会社の資産内容を変更し、譲渡しやすくするなどのスキームがあります。また事業承継については、税の軽減措置もあります。ご主人が、専門家とよく相談なさったらよろしいかと思います。

評価・お礼

yori1205 さん

2023/09/10 16:37

ありがとうございます。
株式は50%以上で、一括して取得し、分割して払うという条件です。(私の書き方がまずかったと思います。)その他の事に関しても、一番主人に負担の少ない条件で、このような話になりました。銀行側が振替に関して、ストップをしている事が気になっただけです。ありがとうございました。

大塚 嘉一

2023/09/11 09:50

評価をありがとうございます。
細かいことですが、事業承継の際の株式の取得数、割合について、取締役選任、解任のための株主総会の議決数の関係から、少なくとも50パーセントを超えること(50パーセントではダメ)が必要です。50パーセント以上というのは、通常50パーセントを含みますので、言葉の問題はさておき、50パーセントを1株でも超えるよう、ご留意ください。
ご主人の今回の事業承継が上首尾に落ち着くことをお祈り申し上げます。

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