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法定相続情報証明制度について。
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本年5月29日から「法定相続情報証明制度」という制度が始まりました。相続が開始すると亡くなった方(被相続人)の死亡時から出生までの戸籍や除籍を取得し相続人を確定する必要があります。これらの戸籍は場合によっては数十通の[戸籍の束]となります。そして不動産であれば法務局、預貯金であれば金融機関、株式であれば証券会社というふうにそれぞれの機関で相続の手続きを行うことになります。そしてその都度[戸籍の束]を提出し戸籍の内容確認を受ける必要がでてきます。証券会社であればその手続きに2週間から3週間を要することもあり、その間[戸籍の束]は戻ってきません。相続財産が多岐にわたる場合は、相続の手続きにかなりの時間を要することになります。新設された「法定相続情報証明制度」は、この[戸籍の束]を法務局の担当者が事前にその内容を確認し、一覧図の写し(相続関係を説明する書面)にして相続人(申出人)に交付するという制度です。一覧図の写しを手続きに必要な分の交付を受ければ相続手続きの時間がかなり短縮することができ、相続人の負担が軽減されます。この制度自体は、不動産の相続登記を促進するために設けられたものですが、相続登記以外の預貯金の払い戻しにも利用ができかつ無料で、もちろん[戸籍の束]も返却してもらえます。戸籍の収集については従来通りですので個人ではなかなか大変ですが、一覧図の写しの交付申出には資格者代理人に委任することも可能となっています。資格者代理人は、弁護士・行政書士・司法書士等の8士業となっています。