相続はどんな時に始まるの?
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2012-03-02 22:39
相続が始まるのは?
相続はどんな時に始まるのでしょうか。まず最初に思い浮かぶのは、ある方がお亡くなりになった時でしょう。もっとも、相続が始まるのは、お亡くなりになった時だけではありません。
裁判所から失踪宣告を受けた人は死亡したものとみなされ、相続が開始されます。すなわち、相続は、被相続人の死亡又は失踪宣告によって開始することになります。
失踪宣告って何?
失踪宣告は、①不在者が7年以上音信不通で生死不明のとき、②戦地に行って戦争終了後1年以上生死不明のとき、③乗った船が沈没してその後1年以上生死不明のとき、④死亡の原因となる危難に遭ってその危難が去った後1年以上生死不明のときに、不在者の利害関係人の申立てにより認められます。
失踪宣告の手続は、利害関係人(不在者の配偶者、父母、相続人)が、不在者の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立て、家庭裁判所が調査を行った上で失踪に関する届出の公示催告をします。不在者本人、利害関係人による取消しがなければ、失踪宣告が確定します。
不在者は、上記①の場合(普通失踪といいます。)は失踪期間満了時に死亡したものとみなされ、上記②~④の場合(特別失踪といいます。)は危難が去った時、相続はその時点で開始したことになります。
失踪者が生存していたとき、失踪宣告は取り消されますが、取消し前に当事者双方が善意でした行為は有効です。本人に財産を返還するときは現に利益を受けている限度(残っている財産)で返還すればよいことになります。