多田 淑恵
タダ ヨシエ地頭の良さよりも勉強の習慣化が大切な理由
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自身の子ども時代を振り返って,また教育事業を立ち上げて様々な生徒さんを指導する中で,地頭の良さよりも勉強の習慣があるかどうかが大切だと痛感しています。
私は,西大和学園高校という東大・京大あわせて毎年100名以上の合格者を輩出する高校に通っていました。(今はさらに合格実績が上がっているようです。)
地頭が良い子がたくさんいましたが,東大や京大に合格できるのは,勉強の習慣がある子でした。東大に合格するためには,1日10時間の勉強が必要だと言われています。教科数が多く,内容も難しいので,地頭が良い子でもそれくらい勉強しないと入試問題に太刀打ちできません。
地頭が良くても,勉強の習慣がない子は,コツコツ勉強することができないので,勉強の習慣がある子に追い抜かれていきました。入学当初は勉強をしなくても成績が良く,「東大を目指す!頑張る!」と言っていたのに,次第に成績が下がり始め,「京大でいいや」「阪大でいいや」「やっぱり神大でいいかな?」と志望校をどんどん下げていきました。
高校3年生の頃には,もっと成績が下がり,最終的には地方の国公立大学を受験したり,浪人してしまったり……という子もいました。
志望校を下げたり,浪人したりすることは悪いことではないかもしれませんが,「勉強の習慣さえ付けることができたら,自分が立てた目標を達成できるのになぁ」と子どもながらに感じていました。
私は地頭がそこまで良くありませんが,勉強の習慣が付いていたので,毎日10時間コツコツ勉強を続けることができました。だからこそ,東大に合格できたのだと思います。
自身で教育事業を起業し,様々な生徒さんを指導してきましたが,やはり地頭が良くても勉強の習慣がない子が,勉強の習慣がある子にどんどん追い抜かれていくのを目の当たりにしてきました。
小学生のときは,地頭が良ければ,学校の授業を聞いているだけで良い成績が取れるかもしれません。しかし中学校に入り,教科数が増え,内容が難しくなると,勉強の習慣がない子は次第に失速していきます。
高校受験までは,何とか地頭の良さで乗り越えられたとしても,大学受験では,さらに勉強量が求められるので,勉強の習慣がなければ,自分が行きたい大学に合格するのは難しいでしょう。
逆に勉強の習慣を付けることさえできれば,(私のように)あまり地頭が良くなくても,自分が立てた目標を達成することができます。私の教室でも,勉強の習慣を付けられた子は,少しずつ成績が向上し,自信を付け,志望校に合格したり,夢や目標を実現したりしています。
勉強の習慣は,誰でも付けることができます。ただ,中学生以降になると,これまでの生活リズムや習慣,考え方を変えるのが難しくなるので,なるべく小学生のうちに勉強の習慣を付けることが大切です。
勉強に限らず,夢や目標に向かってコツコツ取り組める粘り強さは,将来社会に出てからもきっと役立ちます。
次回から,勉強を習慣化する方法についてご紹介したいと思います。