手塚 由比(建築家)- コラム「太平洋を見はるかす腰越の「メガホンハウス」」 - 専門家プロファイル

手塚 由比
誰もが共通認識として「良い」と思えるような価値を追究したい

手塚 由比

テヅカ ユイ
( 建築家 )
株式会社手塚建築研究所 
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太平洋を見はるかす腰越の「メガホンハウス」

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作品紹介 2005-12-01 00:01
「メガホンハウス」は太平洋を望む崖の上に建っています。水平線だけを斬りとる9m×6mの大きな窓が特徴のこの家は、外部と内部の垂直ブラインドとオーニングによって採光を調節できますが、基本的にはつねに海に向かって開かれた空間を楽しむことをテーマとしています。

このメガホンのように広がる空間には、側面にしか壁がありません。これにより視覚がほとんど一方向に限定され、住まい手は一日中、大海原に浮かんでいるかのような絶景を満喫できるというわけです。海は天候によっていろんな表情を見せてくれるでしょうし、それは季節によっても、また朝・昼・夜でも移ろい変わるでしょう。ここにいて、人が「飽きる」ということはありえないと思います。横浜に建てた「大窓の家」が公園に対する一等席の家なら、「メガホンハウス」は海に対する一等席の家ということです。

私たちは、最初にクライアントがもっとも「気持ちいい」と感じる空間は何かについて徹底的に検討します。そこから「メガホンハウス」であれば、つねに海に浮かんでいるような感覚が味わえる空間という解答が生まれ、「バルコニーの家」であれば、風を感じる家からスタートしてバルコニーを思いつき、「バルコニーとは何か」についてとことん突き詰めた結果として家全体をバルコニーにするという解答が生まれるわけです。

私たちは、何を足しても、何を引いてもいけない、そんな究極の建築をつくりたいと思っています。いろいろ足していくのは簡単なことですが、そうではなく、バルコニーとは何か、屋根とは何か、窓とは何かを突き詰めて、それだけで勝負する。そんな住宅をつくっていきたいと考えています。
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