大沼 徹(建築家)- Q&A回答「木造住宅屋根の断熱と換気について」 - 専門家プロファイル

大沼 徹
人の思いと土地の個性を結んだ、オンリーワンの環境づくり

大沼 徹

オオヌマ トオル
( 東京都 / 建築家 )
大沼建築・環境計画事務所 主宰
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2階の暑さ対策

住宅・不動産 住宅設計・構造 2023/07/03 06:23

お世話になります。
神奈川県横浜市の築2年の中古住宅のリフォームを考えています。リフォームの際には2階の暑さ対策も同時にお願いするつもりで考えています。
2点不明点がありますので質問させてください。

前提として、
・場所は横浜市です。
・屋根は寄棟、瓦はスレートです。軒先換気口と棟換気はついています。棟換気は1つ(1板金?)のみです。太陽光発電はありません。
・2階に三菱の排気排熱ファン(V-20MEX3)が2台あります(が、夕方以降に窓をあけて回してもジリジリと暑さを感じます)。
・窓はLIXILサーモス2H Low-E、内窓はAGCまどまど クールベール、屋外にLIXILスタイルシェードがあります。

1.天井断熱材の厚さ
現在天井にはグラスウールのアクリアマット90mm(熱抵抗値2.1、熱伝導率0.043)が施工されています。
断熱材の厚さを2倍、3倍にしたとして、効果(断熱材の厚さ違いによる温度差)を体感できるのでしょうか。

2.後付け遮熱材
温度計を見ていると2階の暑さのピーク時間は20時ごろのようです。屋根や天井断熱材がためこんだ熱が輻射熱として部屋に降り注いでいるため、日没後に暑くなっているものだと思っています。
調べていると垂木間に貼り付ける「風通し銀次郎」や、「ミラスルーひかる」というアルミフィルム付きの遮熱パネルがあることが分かりました。カタログ等で示されているデータを見ると2階の暑さ対策にもってこいに思えるのですが、実際に効果はあるのでしょうか。

よろしくお願いします。

t0kumeiさん ( 神奈川県 / 男性 / 30歳 )

木造住宅屋根の断熱と換気について

2023/07/14 02:20
( 5 .0)

東京多摩地域で建築設計に携わっている大沼と申します。

t0kumeiさんのお考えの通り、木造の高断熱仕様化は、RC造に似た温まりにくく冷めにくい家になる傾向にあります。従って、単に天井断熱材の厚さを増やすことは、日没後の暑さ継続を助長する可能性があります。一方後付け遮熱材は、屋根面と天井面と二重に遮熱層を仕込むアイデアとなりますが、空気層の温まった空気が排気されるよう、給排の換気経路がそれぞれに成立していることが必要となります。後付け遮熱材の場合、空気層はあるけれど垂木間で細かく分断され全体として繋がっていず、実は空気が流れないという状況もあり得、必要な換気量とそのルートをどう確保するか、設計者や施工者とキチンと確認することが大事になります。

以上、多少なりともご参考になれば幸いです。

評価・お礼

t0kumei さん

2023/07/15 17:07

ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。

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