大沼 徹(建築家)- Q&A回答「ベタ基礎と地盤の高さ関係について」 - 専門家プロファイル

大沼 徹
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大沼 徹

オオヌマ トオル
( 東京都 / 建築家 )
大沼建築・環境計画事務所 主宰
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GLと基礎と駐車スペース

住宅・不動産 新築工事・施工 2016/05/17 22:59

現在、首都圏で家を建築中です。
2方向が道路の角地で、その2面にそれぞれ道路と平行に駐車スペースをとる予定です。(縦列駐車というのでしょうか。)

GLについては特に説明もなく工事が進んでいましたが、本日図面を見るとGL=BM+220(22cm)となっていました。BMは全面道路の側溝です。道路と建物までの距離は、片方が2.7m、片方は2.1mです。
駐車スペースの傾斜がキツい気がしてハウスメーカーに確認すると、玄関の階段を増やして階段下をBM+70にして、駐車スペースもそこに合わせて傾斜を7cmにするから大丈夫とのことでした。

そうすると、基礎に接する地面がGLより15cm下がりますよね?それは、問題ないのでしょうか?基礎の埋まっている深さが浅くなって大丈夫なのでしょうか?
基礎はベタ基礎です。

ミラクルコアラさん ( 千葉県 / 女性 / 33歳 )

ベタ基礎と地盤の高さ関係について

2016/05/21 23:08
( 5 .0)

東京多摩地域で建築設計に携わっている大沼と申します。
 ご質問の文面から、駐車スペースの建物側は建物基礎が直接面し、ベタ基礎底盤天端はGL±0程度、と仮定して回答させていただきます。もし当初図で駐車スペースの建物際高さがGL±0だったとしたら、ミラクルコアラさんのご懸念の通り、傾きは大きすぎると思います。15センチ下げても巾2.1メートルの方はややきつめですが、いきさつを考えると許容範囲内とせざるを得ないように感じます。
 ベタ基礎の根入れ深さについては、建設省告示第1347号にて「根入れの深さは、基礎の底部を雨水等の影響を受けるおそれのない 密実で良好な地盤に達したものとした場合を除き、12センチ以上とし、かつ、凍結深度よりも深いものとすることその他凍上を防止するための有効な措置を講ずること。」とあります。一般的には、12センチ以上は基礎外周下端から上に、と解釈されているようです。雨や凍結などの天候や季節による影響を受けない安定した面の上に基礎が乗るようにとの狙いからと読み取ることができます。
 従ってミラクルコアラさんの場合、まずは、駐車スペース水上を15センチ下げても基礎外周下端から根入れ深さが12センチ以上保たれそうか、図面と現地を併せ確認すべきと思われます。 
 なお、確認申請上のGLは建物四周の接地高の平均で考えるため、建物の2辺で接地高が12センチ下がるとGLも下がり、GLから測る建物高さが相対的に高くなり、建築確認の変更申請が必要となります。追加の申請費とその手間代が掛かり、申請中は関係部位の工事は待ちとなります。完了検査で明らかに分かる変更なので、必須とお考えください。
 ただ、本来なら駐車スペース側の2辺は、たかだか15センチとはいえ地盤の高低差を読み込み、基礎形状を特殊対応すべきところです。正直、設計段階での建物と外構の高さ関係について、ハウスメーカーの検討不足を感じます。
 以上、多少なりともご参考になれば幸いです。

評価・お礼

ミラクルコアラ さん

2016/05/22 01:00

ご回答ありがとうございます。
すでに、もうすぐ上棟の段階なのでやり直しはできませんが、基礎の外周部の深さは35センチなので、15センチ下げても20センチは残りそうです。

確認申請については、知りませんでした。ハウスメーカーに確認してみます。変更申請に費用がかかる場合、その費用を負担するのはちょっと納得行かないのですが、費用をハウスメーカー持ちにしてもらうよう相談するのは非常識ですか?

駐車場の外構もハウスメーカーで行いますが、打ち合わせはこれからです。

大沼 徹

2016/05/22 01:27

さっそくの返信と高い評価をありがとうございます。
 設計に携わる身として、建物と外構の高さ関係への目配りは当然で、2辺を縦列駐車スペースと当初jから計画していたのなら、変更申請に関して完成時期に+αは認めても費用の+αは認めない、といったあたりが、竣工後の良好な関係を考慮した上での落としどころのように思えます。
 ただ確認申請時、超優秀なハウスメーカーなら、現場での変更を見越して建物高さに余裕を持たせ、多少建物高さが高くなっても簡易な軽微変更レベルで済ませられるよう見越しているかもしれません。そういった点を含め、状況を冷静にご判断していただければと思います。

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