配置転換を伴う昇進という異動は、業務内容が大きく変わり責任も重大になるために、うつ状態を発症しやすい典型的な事例といえます。昇進という一見お目出たいイベントも、気をつけて臨まないと心身を疲弊させるだけになってしまいます。

部下など人と話すのが億劫で、家庭の事も含めて心配や不安感が強く、休日は家に閉じこもりがちという状態は、うつ状態から軽度のうつ病にかかっている可能性があります。ここでは職場や仕事に対する向き合い方とともに、日々の心身にわたる体調管理に取り組む必要がありそうです。

仕事への取り組み方に関してですが、新しい業務内容を順次覚えていくのはもちろん大切です。しかしそれ以上に大切なのは、新しい部署のスタッフと仲良くなることです。先ずはしっかりとコミュニケーションを取り、部下の信頼を得ることが最優先です。

管理職の役割りで大切な要素として、個々の部下の強みを活かし、組織のパフォーマンスを向上させるというものがあります。そのためには部下と対話をしてよく観察をする必要があります。業務内容は部下から教えてもらうくらいの割り切りも大切です。

次に日常生活に関してですが、仕事以外の趣味やリラクゼーションが必要です。例えば休日などにスポーツをしてはいかがでしょうか。体力向上とストレス発散に役立ちます。会社での交渉や営業行動などにも役立つことでしょう。

体調管理の一環として、食生活の充実や体温の維持は意外と重要です。異動に伴いうつ状態に陥っている背景として、栄養バランスの乱れや低体温が潜んでいる可能性があります。多忙にかまけて食生活などが乱れてはいないでしょうか。

具体的にはこのQ&Aやコラムに頻繁に詳述していますので参考にしていただきたいのですが、一例を挙げると、糖質の取り過ぎは反応性低血糖を、ビタミン、ミネラル、アミノ酸の不足は神経伝達物質の欠乏をそれぞれ招き、うつ状態の増悪要因となり得ます。