吉野 真人(医師)- Q&A回答「アルツハイマー併発?心身状態管理+環境整備+傾聴を」 - 専門家プロファイル

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義母の異常な行動について

心と体・医療健康 心の不安・性格改善 2009/11/09 09:40

私は主人の両親と主人・子供二人の六人で暮らしています。

相談したいのは義母(71歳)のことですが、義母はこの家に嫁いで30代前半で、もともとの高血圧と疲れのために脳梗塞になりました。その後、リハビリを重ね、普通に生活できるようになったそうです。

性格は内弁慶で仲良くしてくれる友人にはおとなしく、とても外聞を気にする人です。マイペースとは対極にいるタイプです。その代わり家の中では「自分のルール」で人を拘束し、そして自分も拘束して、落ち着いて何かをすることができないようです。まわりで何気なく言ったことを大変気にするところもこのころからありました。義父が言うには結婚したころから「冗談が通じない」人だったそうです。それに大変なやきもち焼きでもあります。こちらで何気なく言った一言でカーッとなることはよくありました。

そんな義母が特にひどくなってきたな、と思い始めたのは3年ぐらい前からでしょうか。
・数分前に言ったことと、いま言っていることが違っている。
・被害妄想が激しい。
・電気をつけ放し、ドアを開け放す。
・一度怒ると相手がよいことをしていてもそれに対して怒り、興奮し、声高になる。相手がいやになってその場からいなくなるといつまでもつきまとう。
・自分が相手の顔を見ているから、目が合うのに、目が合うと、逆に自分が睨み付けられていると錯覚する。
・何かにつけ人のせいにする。

本当はいつからという線引きができないぐらい、前々から少しずつ出始めてはきています。でも、最近一日中付き合っている義父が参ってしまったらしく、円形脱毛症になったり、夜も付きまとうので、なかなか寝られなくなってしまっています。子供も参っています。

ぺがささん ( 福島県 / 女性 / 41歳 )

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医師(精神科)

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アルツハイマー併発?心身状態管理+環境整備+傾聴を

2009/12/09 07:15

義理のお母様の症状として記述されているのは、短期記憶障害、被害妄想、易興奮性、攻撃性といったものだと思われますが、これらの諸症状が現れやすいのは、脳梗塞などの脳血管障害に伴う認知症と並んでアルツハイマー病も候補に挙げられています。

病気の発症には性格や行動パターンとの関連性が指摘されており、義理のお母様の場合、外聞や他人の言動を気にする傾向や冗談が通じないという傾向などは、高血圧や脳梗塞の発症しやすい要因として挙げられているほか、アルツハイマー病とも無関係ではないようです。

いずれにせよ義理のお母様の症状はこの2〜3年で悪化してきている様子ですので、早めに対策を立てる必要がありそうです。その柱になるのは一つにはご本人の心身の状態管理であり、もう一つは家庭内の物理的・人的環境整備です。

ご本人の心身の管理の上で意外と大切なのが食生活と栄養バランス、それに体温維持です。一例として、砂糖など糖質の過剰摂取は反応性低血糖を、ビタミン、ミネラル、アミノ酸の不足は神経伝達物質の欠乏を各々招き、神経機能を損ねて認知症の発症要因となります。

そして家庭環境もたいへん重要です。お年寄りの心身のストレスを増す住宅は認知症を促進します。具体的には採光や風通しが悪い環境、過度にハイテク化が進んだ住環境などはストレスとなり、お年寄りは自己防衛の一環として認知症を発症しやすくなります。

さらに家庭内の人間関係も大事です。本人をないがしろにする扱いはもちろん、過度に特別扱いしても逆にストレスとなります。家庭内や地域で一定の存在意義を感じられるかどうかがポイントとなります。家庭環境と合わせて何か課題はないでしょうか。

先ずはご本人の話を傾聴することから始めてはいかがでしょうか。一見異常な行動に出るという事は何かのメッセージを無意識に発している可能性がありますので、昔話でも何でもよいのでとにかく聴くことに徹しましょう。

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