吉野 真人(医師)- Q&A回答「初期の認知症?ご主人の話を傾聴し旅行や共通の活動を」 - 専門家プロファイル

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定年後の主人の扱い

心と体・医療健康 心の不安・性格改善 2009/10/11 11:29

今年の春の定年後からずっと家に居ます。
何か仕事を頼んでも普段から何もしてくれない人で、お前に言われたらやる気がせん、とか、今しようと思っていたのにいわれてやる気が失せたとか、用するにやる気がないのです。
以前も庭の木の散髪を頼んだのですが、それを実行してくれたのはなんと1年後。しかもあとの始末もほったらかしで、ついにたい肥化した始末。まった計画性がなく、自分の気が向いた時に急に掃除なんかを始めます。
たまに思い立ってはどこかに外出しますが、そうでない時は朝から晩までずっとTVがお友達状態。大抵15時間ほどは観ている勘定です。
動くのはトイレに立つ時と食事を取りに来るときだけです。
お天気のいい日などは、散歩にでも行けば?というのですが「自分の勝手じゃ、うるさい!」の一言です。
最近はなんだか怒りっぽくもなった気がします。
ほんの些細なことでも急に怒り出すのです。しかも暴力的になります。
こんな有様では認知症が始まったのかと心配になります。
まだまだ私も仕事をして家を支えないといけない状態ですので、万が一、主人が認知症にでもなったら大変です。
なんとかして、せめて毎日の散歩程度を日課にしてくれるにはどうすればいいでしょうか?
とにかく出不精、動き不精、人の意見は聞かない…
TVを見ている時は話しかけても聞く耳持たずです。
会話もほとんどありません。
毎日がこんな調子で、私の方がストレスで胃が痛くなりそうです。

おねーさんさん ( 奈良県 / 女性 / 60歳 )

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吉野 真人
医師(精神科)

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初期の認知症?ご主人の話を傾聴し旅行や共通の活動を

2009/11/04 07:31

定年後のご主人が出不精で怒りっぽくなったために手を焼いている模様です。確かに仕事一筋で生きてきた男性が定年を迎えると引きこもり状態になってしまう例は多く、妻の心理的負担は大きくなりがちです。

このような状態を脱するための切り口としては、一つにはご主人に活力を取り戻していただくという方向性があります。ご主人が家事を手伝い、妻と楽しく会話し、外でも適度に活動するようになれば、妻の負担は軽減し家庭内には活気が生まれます。

お話からすると、ご主人は初期の認知症になっている可能性があるために早めの対応が必要です。進行を防いで心身の状態を改善させるには、適度な心理的刺激とやりがいのある趣味、バランスの取れた食事、体温の維持などが大切です。

ただご主人の今の状況は長年の習慣の積み重ねの結果である側面がありますので、そう簡単には改善しないでしょう。またそれを急いでは却ってお互いにストレスとなります。ご主人といえども他人であり、そうやすやすとは変わってくれないものです。

そこで先ず妻であるあなたがご自身をさらに磨くことと、ご主人との関係性を再構築してみることをお勧めします。

厳しい言い方になるかも知れませんが、ご主人の今の状況は妻であるあなたの状態をも反映している可能性があります。つまりご主人の対応が悪いのは、あなたのご主人に対する対応に何か問題があることも考えられ、どっちもどっちなのです。

そこであなたが今後ご主人とどのような関係性を築き、どのような生活をしていきたいのかよく考え、ご主人と話し合ってみましょう。その際ご主人の人生観や生き甲斐、夢、過去の思い出などをよく聴くことがポイントとなります。

次に共通の体験が重要です。二人で旅行に行くのもよいですし、共通の趣味や仕事、ボランティア活動をするのも有効でしょう。同じ方向性に向き合うことで自ずと連帯感が生まれ、ギスギスした雰囲気も改善することと思います。

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