吉野 真人(医師)- Q&A回答「急な中止でリバウンドか?薬からの離脱は時間をかけて」 - 専門家プロファイル

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うつの薬 パキシルについて

心と体・医療健康 心の不安・性格改善 2009/08/07 11:25

長い間 うつの薬パキシルをのんでいたのですが、腰を痛めて薬をもらいに行けず、1週間薬なしで過ごしたところ、ひどいめまいに襲われました。
無理をしてやっとのことで薬をもらいに行き、めまいはおさまりました。いずれはこの薬をやめる日が来るのか不安です。飲み始めて5年になります。薬のことを教えて下さい。

とりこさん ( 兵庫県 / 女性 / 61歳 )

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医師(精神科)

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急な中止でリバウンドか?薬からの離脱は時間をかけて

2009/08/23 15:15

パキシルという抗うつ薬を1週間中止してひどいめまいに襲われたというお話ですが、このめまいはパキシルの急な中止によるリバウンド(反跳)現象と考えられます。うつ病の症状がパキシルによって抑えられていたものの、その中止によって急激に現れたのです。

うつ病の薬に限らず、長年飲んでいた薬を急に中止するとリバウンドが生じることがあります。薬の種類や量が多いほどリバウンドが強く出現する傾向があります。従って薬を減量したり離脱したりする際には、少量ずつ時間をかけて減薬・離脱する必要があります。

お飲みになっている抗うつ薬がパキシル1種類だけならば比較的大きな影響は出ないものですが、それでも1週間中止しただけでめまいなどの症状が出現したのは、うつの症状がまだ充分に回復していないことを示唆します。

従ってまだ充分に病状が安定していない状態では、薬を飲み切ってしまう危険を避けるために、少し多めに薬を処方してもらうとか、家族などが代理で処方を受けられるような話し合いを普段からしておくことです。もし万が一薬がなくなった場合には、すぐに病院に連絡してください。

さて、このような抗うつ薬をやめられる日が来るかどうか、との点についてですが、それはひとえに日常での改善の取り組みの如何にかかっています。うつ病には必ず「原因」というものがあり、その原因をどれだけ解消し、ご自分の内外の状況を改善するかが大切なのです。

その原因としては、食生活の乱れと栄養バランスの破綻、低体温、ストレス、過労、家庭や職場などの環境の悪化など、様々なものがあります。あなたの場合には、どのようなものが当てはまるでしょうか。ご自分に該当する要素を分析し、解決に向けて取り組む必要があります。

そういう日常の地道な取り組みの結果、うつ病の原因が解消へと向かい、ご自分の内外の状況が改善する過程で、抗うつ薬を初めて減量→離脱していくことが可能となるのです。

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