吉野 真人(医師)- コラム「医師も病院も使い方次第!?賢い患者の「かかり方」入門編(3)」 - 専門家プロファイル

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ヨシノ マサト
( 東京都 / 医師 )
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医師も病院も使い方次第!?賢い患者の「かかり方」入門編(3)

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2011-12-26 07:00

(続き)・・さて人気病院や名医が必ずしも最適の選択ではないというのは、どのような場合でしょうか。まず考えなければならないのは、人気のある病院は多くの場合、たいへん混み合っているということです。また各地から多くの患者が殺到し、また取材なども多数入るため、名医と呼ばれる医師はおしなべて多忙です。そのために順番待ちが多く、一人あたりにかけられる時間がたいへん短いため、丁寧に診察してもらえるとは限りません。

 

また丁寧に診てもらえるとしても、その分だけ一定時間に診察できる人数が限られるため、待たされる時間が長くなってしまいます。その結果、著しい場合には診察までに何か月も待たされる場合も少なくありません。せっかく診察の予約が取れたとしても、予約の日までに病気が進行してしまい、ようやく診察を受けたら手遅れだった、という事態も予想されるのです。

 

百歩譲って名医に早く出会え、じっくりと診てもらえる幸運が巡ってきたとしても、手放しでは喜べないのが現実です。というのは、名医の多くが特定の分野に優れた能力や技術があるのは確かですが、それが自分の抱える病気や健康上の問題にピッタリはまるとは限らないからです。もしその医師の得意分野ではない病気や健康障害だったとしたら、その医師の優れた能力は発揮されずに終わるでしょう。

 

例えばひどい腰痛があり、腰痛に詳しい著名な整形外科医の診察を受けたとします。検査の結果は「異常なし」で、鎮痛剤を処方されましたが、痛みはひどくなる一方です。しばらく様子をみたあげく尿が出なくなり、近くの病院で検査を受けた結果、「前立腺がんの脊椎転移」と診断されました。前立腺がんは骨に転移しやすいのです。このようなケースでは、専門分野にとらわれない幅広い診察が必要となります。

 

また腰痛だけでなく、頭痛や肩凝り、手足の冷えや浮腫、イライラ感、不眠、食欲不振、体重増加、慢性の疲労、肌荒れなど多彩な症状がみられた場合には、特定の専門分野に偏った診察や検査では適切な対処ができません。このような症例に関しては、腰痛のエキスパートに診てもらうよりも、むしろ多彩な症状を総合的に検討し、現実的な判断ができる医師に診てもらう方が適切といえます。

 

従ってよほど特殊な場合を除き、最初から人気病院や名医を求めて探し回るというのは、あまり現実的な行動とはいえません。むしろ総合的な見地から診断し治療できる医師に診てもらい、必要が生じた場合に初めて特殊な能力や技術をもった名医に診察を依頼する、というのが賢い判断です。それでは我々が病気になった場合、先ずはどのようにして病院選びや医師選びをすれば良いのでしょうか・・(続く)

 

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