吉野 真人(医師)- コラム「花粉症には漬物&キムチが有効?「発酵食品」でアレルギー封じ込めを!」 - 専門家プロファイル

吉野 真人
あなたの自然治癒力を引き出し心身の健康づくりをサポートします

吉野 真人

ヨシノ マサト
( 東京都 / 医師 )
Q&A回答への評価:
4.7/38件
サービス:1件
Q&A:158件
コラム:500件
写真:0件
お気軽にお問い合わせください
03-3277-3737
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

花粉症には漬物&キムチが有効?「発酵食品」でアレルギー封じ込めを!

- good

2013-03-18 16:00

(続き)・・昨日の日曜日は横浜市戸塚区の市中病院に診療応援に行ってきました。休日診療の現状を研究するのと、診療の「他流試合」を経験するのが目的です。ここは地元や通院中の方々の急病に対応する「2次救急」の病院の一つです。

私が少し意外に感じたのは、胃腸炎の症状を訴えて来院する方がとても多かったことです。花粉症の患者が多いのでは、と予想していたのですが、実際には腹痛や嘔吐、下痢、食欲不振などの患者が過半数を占め、10人以上が来院しました。

殆んどはウイルス性の胃腸炎と考えられます。対処法としては整腸剤などの服用とともに、休養、お腹の保温、水分補給などが挙げられますが、症状の重い方には点滴が必要となります。実際この日も約3人に1人は点滴を受けて帰られました。

 

さて我々の腸の内部には約400種類、総数で約1兆個もの腸内細菌が共棲しています。これを「腸内フローラ」と呼びます。フローラとは「お花畑」を意味し、特に小腸下部から大腸にかけてはちょうどお花畑のように、様々な種類の腸内細菌がびっしりと住み着いています。

腸内細菌は大きく分けて、乳酸菌やビフィズス菌などのいわゆる「善玉菌」、大腸菌やウェルシュ菌などの「悪玉菌」、どちらにも属さない「日和見菌」の3群に分類されます。一般に善玉菌が増えると体調が改善して病気が快方に向かい、悪玉菌が増えると逆に体調が悪化して病気が進行する傾向があります。

花粉症などのアレルギー症状を抑制するという意味でも、善玉菌を増やして悪玉菌を減らし、腸内環境を改善することが大変重要な取り組みになります。それでは具体的に、どのようにすれば腸内環境が改善するのでしょうか。

 

具体的な方法の一つとして「発酵食品」の活用が挙げられます。発酵食品は身近な食材を乳酸菌などの微生物を用いて発酵させた食品群で、日本や世界の各地で昔から研究され、受け継がれてきました。

よく知られている発酵食品としては糠漬けやキムチなどの漬物各種、納豆、ヨーグルト等があります。漬物や白菜やキュウリなどの野菜を乳酸菌発酵させたもの、ヨーグルトは牛乳など家畜の乳を乳酸菌発酵させたもの、納豆は大豆を納豆菌発酵させたものです。

発酵食品には様々な健康上のメリットがあり、アレルギーを抑制するというのもその一つです。実際に発酵食品をよく食べる人は、花粉症を含むアレルギー疾患の発症率が低いという疫学データもあります。

 

発酵食品の摂取によって腸内環境が明らかに改善しますが、それが免疫力の向上や安定、代謝率の改善、抗酸化力の向上などをもたらし、アレルギー疾患を含む病状の改善や予防などに寄与するのです。

日本人は昔から長寿者が多く、健康的な民族として注目されてきましたが、その理由の一つはこのような発酵食品を積極的に活用してきたから、といえそうです。

 

ところが近年は発酵食品の摂取量が年々減少しています。加工食品やファストフードの摂取量が増え、それに反比例して「スローフード」の一つである発酵食品の摂取が減ってしまったのです。

今や日本は生活習慣病やアレルギー疾患、そしてガンなどの病気が軒並み増えており、もはや健康長寿などと自慢していられなくなってしまいましたが、その理由の一つとして、発酵食品から遠ざかってしまったことが挙げられるのではないでしょうか。

 

発酵食品のメリットを有効に活用できる方法の一つとして「乳酸菌製剤」を摂取することが挙げられます。これは高濃度に調整した乳酸菌をサプリメントとして摂取する方法で、大量の乳酸菌を腸内に供給することによって、自前の善玉菌の数や機能を向上させることが可能となります。

その結果、免疫力や代謝、抗酸化力が飛躍的に向上するため、ガンや感染症、アレルギー疾患などの治療や予防に活用されてきています・・(続く)

 

蒲田よしのクリニック(内科)
吉野 真人
〒144-0052 東京都大田区蒲田5-27-10 蒲田TKビル1階
Tel : 03-6424-7071 FAX : 03-6424-7072
http://www.kamata-yoshino-clinic.com/ (公式HP)
http://www.yoshino-radon.com/ (ガン専門HP)

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム