森本 直人
モリモト ナオト初めての投資信託
マネー 投資相談 2009/12/09 14:0130代半ば 独身 実家 女です。
今回450万弱分の定期預金が満期となり、銀行から投資信託の勧誘がありました。
資産のほとんどは普通預金と定期預金ですが、数年前に興味本位と浅はかな知識で始めた株200万円が半分近くになり、塩漬けといった状態で投資の怖さを感じています。
ちなみに総資産は1,000万円以上あります。
株で痛い思いをしているので、低利息でもこのままにしておくつもりでしたが、当面使う予定がないこと。また勧誘されたことを機に資産を外貨などに分散する必要もあるのかな〜と考えるようになりました。
現在、リストラにより失業中のため、普通預金を崩して生活している状況ですので、まずは100万円ぐらいを考えています。
銀行から勧められたのは2つです。
?フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド
?杏の実
?は毎月分配金があるうえ値動きが小さいので、今後円安に向かうことを前提に円高である今が買い時とのこと。格付けの低さも何百社を随時入れ替えて運用しているので、たとえその中の一部に何かあってもそれほど影響はないとの説明でしたし、何だかんだ言っても世界経済の中心はまだまだアメリカなので…といった感じでした。
?も同じく分配金のことやオーストラリアの豊かの資源から…と
いった説明で、得に?を強く勧められています。
あまり世界経済に詳しくないうえ、今の情勢から今後アメリカ経済がどうなっていくかといった状況で、この投資はいかがなものでしょうか。
また、他に何かいい運用商品がありましたらアドバイスいただけたら幸いです。
corieさん ( 岐阜県 / 女性 / 35歳 )
2つのファンドについて
- ( 4 .0)
corie様、はじめまして。
ファイナンシャルプランナー(IFA)の森本直人と申します。
ご相談の件、数年前に始めた株と同様、投資信託にも値動きがあります。
当然といえば、当然なのですが、「信じて託す」という語感から、プロにお任せしていれば、放ったらかしで、右肩上がりで殖えていくという感覚をお持ちの方が多いように思います。
ところが、現実は、そうではありません。
投資信託といえども、投資ですので、預金とは性質が異なります。リスクもリターンもすべてご自身に帰属しますので、ある程度の覚悟を持って、金融や経済の勉強もしていかなければなりません。
とはいえ、投資の素晴らしいところは、誰にでも、公平に機会が与えられているところです。会社勤めの場合は、リストラもありますが、投資にリストラはありません。すべて自分の責任と判断で進められます。
さて、本題の2つのファンドについてです。
1.は、高利回りで、格付けの低い債券を組み入れていますが、過去データを見ると、米国ハイ・イールド債のデフォルト率は、1988年から2007年の平均で、4.83%となっており、この点をどう見るかです。ちなみに、デフォルト率とは、発行体が実質的に債務を返済できなくなった割合のことです。
2.は、オーストラリア・ドル建てやニュージーランド・ドル建ての債券に投資しますが、債券投資は、金利が上昇すると、債券価格が下落するというメカニズムがあります。金利上昇局面に入りつつある今、この点をどう見るかです。
その他にも、いろいろな論点があり、選択肢もいろいろありますので、必要に応じて、特定の金融機関との雇用関係のない、独立系のアドバイザーに相談されてみるのも、ひとつの方法です。
以上、ご参考にしていただけると幸いです。
評価・お礼
corie さん
2つのファンドについて具体的な説明をありがとうございます。
1.はデフォルト率や、照井先生からの回答にあったリターン率から見て、リスクの高さを感じられます。
また、2.についても今のタイミングではないと、今回の勧誘を断る決意がつきました。
第三者的立場からご意見いただけ、参考になりました。