大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- Q&A回答「なぜ「結婚」するのですか?」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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会話が成り立たない。

2012/09/20 18:56

近々結婚しようと考えている男性とのコミュニケーションがうまくいかず、喧嘩も絶えないため、結婚を躊躇しています。
彼は離婚歴のある46歳です。私は初婚です。彼は元々会話が苦手なのですが、会話中言葉に窮すると「俺が全部悪いんだ」と言い、短くても1時間は貝のように押し黙ります。
喧嘩の際、彼はよく「自分のことしか考えていない(だから喧嘩になる)」と私の非を指摘します。が、私からすると彼の方が「自分のことしか考えられない人間」に見えます。彼を紹介された私の両親も「あの人は自分本位」という印象を持っているので、ある程度客観的な意見だと思います。つい先日も彼の言動で私が傷ついたことがあり、「自分が同じようにされたときのことを想像してみて」と言うと黙り込み、会話はそこで終わりとなってしまいました。
私は彼を責めたいわけでもなく、謝ってもらいたいわけでもなく、ただ喧嘩を繰り返したくないだけなのです。お互い自分の気持ちを言い合って、考え方の違いがわかれば、多少は喧嘩が防げるのではないかと考えて話し合いがしたいのですが、いつも結論が宙に浮いてしまって結局同じのことの繰り返しとなってしまいます。
彼は自身の両親との折り合いが悪く、情緒的に成長しきれていないのではないかという印象を私は持っています。「自分を認めてもらいたい」という願望が非常に強いです。
彼のことばかり書き連ねましたが私にも問題はあり、元々人間関係の形成に不安を感じていて、どこまでいっても安心しきれないようなところがあります。自分なりに勉強した結果、「甘えの欲求」が達成されてこなかったのではないかという結論に今のところ至っています。
私が心配しているのは、このような二人が結婚してうまくやっていけるのか、ということです。お互い愛情はあると思います。私の希望は、お互い認めあい、捕足しあい、一緒に幸せな人生を歩んでいくことです。
彼にどのように接していけばいいのか、アドバイスをお願いします。

soracaraさん ( 群馬県 / 女性 / 41歳 )

なぜ「結婚」するのですか?

2012/09/21 12:15
( 4 .0)

カナダ・アメリカの大学を通じ科学に基づいた心理学を勉強しています。
「なぜ結婚したいのですか?」
Critical Thinking (論理的、科学的思考法)で質問を分析してみます。

結婚を定義してみました。
(1) : the state of being united to a person of the opposite sex as husband or wife in a consensual and contractual relationship recognized by law

異性である人間が、夫と妻と、し合意と契約に基づいた関係を持ち、その関係が法により認識されていること。

(2) : the state of being united to a person of the same sex in a relationship like that of a traditional marriage
  同性間の関係(他は上記と同様。 日本ではまだまですが。)


「結婚」の一番の目的は、法が認めた関係だということですね。 その法により、婚姻関係を持っていない男女より有利な点が多いからです。 もちろんその優位性も国により異なり、日本は「婚姻」により受ける利点がまだまだ大きいことが問題です。 特に子供を持つ場合にはまだまだ古臭い法律が残存しており、世界から大きく遅れているのが現状ですね。

そして、日本ではなぜか「結婚」が定義を問うこともなく「社会通念―みんなそうするもの」として受け入れられている得意な文化環境を持っています。 よく、特に女性に、「なぜ結婚したいですか?」と質問するのですが、まず最初は、「は?なぜ理由が必要?」という顔をされます。 話しているうちに、「結婚する必要を感じなくなった・・・。」と。

ご質問の中に「お互い認め合い、補足し合い、一緒に幸せな人生を歩む」のが結婚の目的だとありました。

Soracaraさんの結婚の目的が「法により優位性」でないならば、まず今回の結婚は見送るのが賢明だと思います。

補足

理由:
お互い一人の人間として認め合う気持ちがお互いに乏しいようですね。 これは契約し結婚したからと言って変わる可能性は非常に低いです。 一生を通じて、人間の性格はまず大きく変わることはありません。 15%程度の変動がせいぜいです。

補足し合う関係は、長続きしないと思います。 親子のように遺伝子を共有しているわけでもない他人が「結婚」という契約を結び、その中でお互い前に進むためには、まず二人が独立した人間であることが大切です。 経済的には、子育て中は、夫か妻のどちらかが主な稼ぎ手となり、分業を通じて補足し合うことも必要ですが、心理的には、まずお互いが大人としてまっすぐ立っていることが絶対必要ですね。 斜めに寄りかかる関係は好ましくありません。

常に心理的に相手に寄りかかられている関係を想像してみて下さい。 「幸せな人生」でしょうか? SupermanかWonderwomanでもない限り無理です。 お互いがそれぞれ、心理的に独立し、自分の精神的問題は自分で解決出来、その上お互いの長所を分かち合うことが出来たら、「一緒に幸せな人生を歩む」こと可能性が高くなりますよ。

それでも、まだまだ「結婚」という契約状態を維持するには多くの変数が絡んで来ますので、難しい問題ですね、「結婚」とは。
日本は、「結婚」という契約の中でなら別に努力をしなくても「関係」は維持できるはずという妙な思い込みも多いように感じます。


このような理由で、soracaraさんが描かれいる今のお二人の関係は、「契約」によりもっと悪化する懸念を感じます。

「愛情」があるのなら、しばらく一緒に生活なさってはどうですか?
 
アメリカ。ヨーロッパの研究によると、「結婚」しているカップルより、同棲婚の方が別れる率がはるかに低いそうです。 「契約」に甘えず、いつまでも相手にとり魅力的な存在であるための努力をするのが原因のひとつだと、研究者は結論づけています。

Good Luck.

評価・お礼

soracara さん

2012/09/21 22:04

大澤先生、回答をありがとうございました。今頭の中が混乱している状態なので、客観的な意見をありがたく思います。私は、人間は皆不完全なもので、それを補い共に成長していくのが夫婦関係だと思っていました。自分の足りないところは相手に投影されるものだと思うので、それを鏡として人生の収束に向かって成長するための修練のようなものだと思っていました。
「なぜ結婚するのですか?」という質問に端的に答えるのなら、「子どもを産みたいから」となります。子どもを育てていくためにある程度の環境を整えておきたいという思いがありました。結婚に焦点をあてて質問をしたのは、年齢的に焦りがあったからかもしれません。
先生のお言葉をしっかり受け止め、もう一度しっかり考えてみたいと思います。
どうもありがとうございました。

大澤 眞知子

2012/09/22 11:57

日本的な小さな箱の中からだけ物事を見ていると疲れますね。 箱から飛び出してあらゆる見方をしてみると「はっ」と気がつく事が多いですよ。
「子供を産む」のが目的なだけなら、無理やり一緒にいて苦痛な不完全な相手を選ぶ必要はないのでは? 相手の遺伝子には性格情報もいっぱい入ってますよ。 少なくとも25%の確率で子供に出て来る可能性もあります。 同じ性格の子供がほしいですか?

「子供」だけが目的なら、精子があればいいので(過激過ぎるかな?)、自分で経済力さえ確保すれば「修練」しなくてはいけない相手など必要ないですよね。

I hope this helps again.
Good Luck.

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