大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- Q&A回答「Case Study (外国でのホームシック)」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

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( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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ホームシック

人生・ライフスタイル 海外留学・外国文化 2011/11/04 13:52

英語圏に住み始めて約1年半が経とうとしています。私には外国人の夫と13歳の子供がおります。移住当時は、生活に慣れるのに忙しくて感じたことが無かったのですが最近すごいホームシックにかかっています。とにかく毎日日本に帰りたいと時々涙が出ることもあります。夫は現地の人なので家族も近くにいるし友達もいます。
最近ケンカも多くなり、現在夫婦で結婚カウンセリングを受けていますが別居の話しも出てきました。夫からの精神的なサポートはあまり期待できません。家族で日本に住んでいた時は私が全力で彼を支えてきました。息子は今こちらの学校に馴染んで楽しんでいます、日本には親友も何人かいますがもう日本の学校には興味が無いからこっちで卒業するつもりと言っています。離婚をしても息子を日本に連れて帰るのは無理そうです。そう思うとなおさら日本に対する思いが大きくなってくるのです・・・。愛情の無い夫と子供の為にこの先も我慢して暮らすか?思い切ってシングルマザーになって海外で子供を育てるか?無理を言って息子を連れて日本に帰るか?どうしたらよいのか悩んでいます・・・。

kaeritai san.さん ( 東京都 / 女性 / 40歳 )

Case Study (外国でのホームシック)

2012/01/13 20:46

その後いかがですか、kaeritai san?

私はカウンセラーではありませんが、カナダのブリティッシュコロンビア大学で心理学を勉強しています。
 
留学生もカナダに送っており、その中には重度のホームシックにかかったケースもあります。 その都度個々に面倒をみて来ました。
カナダでは日本人女性と白人男性のカップルが多いです。 カナダの統計資料でも、異人種間の結婚では一番多い組み合わせだそうです。

kaeritai sanには、もっと詳細がないと軽率にアドバイスは難しいですが、私の経験、知識、観察から、カナダでのCase Studyをお話しますね

1.外国でのホームシック原因のほとんどは言葉の壁ですね。 思うように言いたいことを伝えられない。 周りが自分を理解してくれない。 などで、自分の存在全体が否定されたような心理状態に陥りやすいです。 

また、周りの英語が奇妙に冷たく非人間的に感じたりもしてしまいます。 回りくどい言い方をせずにストレートに意思を伝える英語がキツク聞こえ始めます。 

そんな時、言葉の心配のない母国が恋しくなるのは当たり前。
留学生には、よく一時帰国をアレンジしました。
日本で、お母さんが野菜を刻む「トントントン」という包丁の音を聞いたとたん元気になった生徒もいます。
自分の存在が蘇ったのかも。

2.異なる言語を使うカップルの場合、ロマンチックに燃え上がっている間はある程度の言語能力で事足りてしまいます。 ラブラブで。

ところが、熱情期を過ぎると、ちょっとした言葉の足りなさが大きな誤解につながる可能性が多いです。 同じ言語を共有していたら乗り越えられる誤解も、異なる言語背景では、ますます悪化し、関係が冷めてしまう可能性がありますね。

この時期になると、悪い意味で「ある程度の言語能力」で日常最低限度の会話しかしなくなるケースもあります。

日本・カナダ間の飛行機で、子連れの日本女性と白人男性のカップルをよく目にします。
なぜか、疲れた顔をしています。 機内で楽しそうに話をしている光景は見たことがありません。 だまって子供をあやす女性。 何もしない男性。 こんな様子です。
子供の世話をする白人パパもいますが、それでも妻との会話はほとんどありません。

大丈夫かなぁ。。。といらないお世話ですが、心配してしまいます。
覚めた関係なのか、言葉の壁なのか。

補足

3.日本女性と白人男性のカップルで比較的うまく行っているのは、妻が外に仕事を持っているケースです。 働くことで英語のコミュニケーション能力も上がるし、精神的、経済的にも自信が出来るからだと思います。

kaeritai san も家庭の外で何か仕事とかボランティアとかなさるのも一つの解決法かも知れませんね。

4.結婚カウンセリングは、最近英語圏では普通に行われているセラピーですが、カウンセラーは現地の方ですか? 英語、英語文化で教育を受けたカウンセラーはもしかして、kaeritai sanが本当に困っている原因まではわからないかもしれないですね。 
もしカナダなら、日系人日本人など専門のClinical Psychologist などもいるので、両方の文化・言語を理解するカウンセラーを探すことも可能だと思いますが。

5.日本に住んでいるときに全力でパートナーを支えていらしたんですね。
頑張りましたね。 

実は、白人男性にとり日本女性の人気が高いのは、「文句を言わずに面倒をみてくれる」ところなんだそうです。 カナダの新聞でも10年ほど前に特集を組んでました。 

もしかしたら、英語圏に戻ったことで立場が逆転し今までのバランスが崩れたのかも知れないですね。 パートナーには家族も友達もいるから面倒をみる必要もないし。 そして、もしかしたら、パートナーから期待ほどの思いやりを感じられないのかも。

そんな不安をパートナーと話されたことはありますか?
わかってもらうまで話してみる価値はありそうです。

それでダメなら・・・、新しく前に進みましょうよ。


*余談ですが、私のパートナーはカナダ人、白人男性です。
パートナーは日本語で本を書くほど日本語が出来ますが、私の英語の方が格段レベルが上なので(笑)いつも英語を使います。

でも、ちょっとした言い回し、単語の使い方でお互いにカチンと来ることも未だにありますよ(20年も一緒ですけど)。 表情がわかりやすい人なので(私も)「何かあるな?」と感じたら徹底的に誤解を分析します。 互いの文化論に発展したりして結構楽しいですよ。

言葉・文化の壁がもたらす感情のひび割れはなかなか難しいものです。

kaeritai sanの問題が前向きに解決されますよう応援しております。

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