大澤 眞知子
オオサワ マチコ上手なお行儀・マナーの教え方
育児・教育 子供のお稽古 2011/04/12 10:10子どもにお行儀やマナーを教えているのですが、なかなか言うことをききません。上手な教え方はありますか?
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
ご褒美は逆効果だと思います
今日は、Developmental Psychology, Educational Psychology から子供の教育に携わっている大澤眞知子です。
「お行儀」というのは面白い日本語だと思いますね。 周りの人から認められる振る舞いでしょうか。
マナー。 社会的に適切と認められる振る舞いですか?
両方とも、第3者の評価を元にしています。 つまりまわりに「あの子はいい子ねぇ~」とほめられることを前提としていますね。
Psycholory で言うextrinsic evaluation。 外部評価です。
これは、子供のMoral Reasoning (何が正しくて、何が正しくないかを自分で論理的に判断する能力)を育てる上では、望ましくない評価と考えられています。
自分の行動基準は周りの評価でしかなく、自分の内面的な価値観には関係ないものとなります。
常に周りの評価を気にし、Self-Concept (自分が何者であるか)を見失うことにもなりかねません。
それよりももっと大切なのは、自分が何者で、自分はどんな振る舞いをした時に精神的な満足を得られるか (intrinsic satisfaction)を子供に学ばせることだと思いますよ。
例えば、戸をバタンと閉めたときに、周りの大人がイラっとしないことがいいことなのか。
自分が、「わぁ!静かに閉めたらいい気分!」と思うことがいいことなのか。
自分が内面的な満足を得られるような行動を導いて上げるのが大切だと思います。
周りの評価が決めるのではなく、自分が決める。
ご褒美は、extrinsic evaluationの最たるものなので、実際何をするのが大切なのがわからないまま、その褒美目当てだけの振る舞いになってしまうことが心配です。