乾 喜一郎(キャリアカウンセラー)- コラム「意外なV字回復~求人倍率の推移から」 - 専門家プロファイル

乾 喜一郎
働く個人の側に立ち、資格や学びを活用したキャリアづくりを提案

乾 喜一郎

イヌイ キイチロウ
( キャリアカウンセラー )
『稼げる資格』 資格専門誌『稼げる資格』編集長
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意外なV字回復~求人倍率の推移から

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2012-11-21 15:38
先日、「3年2か月ぶりに求人倍率がダウンした」という報道があったので、
これまでの動きを少し俯瞰で見ておこうと
厚労省のホームページで過去20年分の求人倍率の推移を手に入れ、
グラフにしてみました。

年平均で見るグラフは多いのですが、月ごとの数字でグラフにするととても滑らかで、
どう変化したのかがわかりやすいです。
この3年間のV字回復が際立っていますね。
不況や不景気という言葉ばかり聞こえてきますが、こういう全体のデータを見ると、
それは必ずしも当たっていないことがわかります。

他にも、いくつか驚いたことがありました。

・11年3月の大震災で、グラフの傾きが全く変化していないこと。
 少し「くぼみ」はありますが、大きな変化があったはず、というのは思い込み。
・リーマンショックは08年の秋。「どーんと落ち込んだのはそれから」と思われていますが、
 実は大幅悪化はその前年、07年の秋から始まっていました。

「求人倍率」が高い時期は、
これまで経験者しか採用されなかったような職場に未経験でも有資格なら採用されるなど、
「落とす理由」よりも「採る理由」への注目が高まります。
雇われている人も自分の立場が守りやすくなる。
一方で、企業は人件費の負担が高まり、その時点での財務には悪材料になった結果、
企業の成長を阻害する要因になる(結果的に、その後の職場の数が少なくなってしまう)という人もいます。

私は、
キャリアの初期にちゃんと一人ひとり、それぞれ「経験」が積もっていく職場と出会えた、
そんな人が一人でも多く増えることこそが、
長期的に見た場合に社会全体が暮らしやすくなる(国の経済の成長にもつながる)と
思っていますので、
求人倍率はできるだけ高く、若年の間の失業率はできるだけ低いほうが思っています。

たとえ一度や二度失敗しても、「次」の機会がたくさんあればなんとかなる。
企業にとっても、そのための負担は長期的な投資、自分たちの成長につながっていくはずだ、と。

ちなみに。
どの内閣がどの時期だったのかな?とも思ったので、
失業率・若年失業率に加え、それも加えてみました。

雇用政策の結果が出るのはしばらくかかりますから、
凋落を止めた麻生内閣と、その後の改善へつなげた鳩山内閣は、
世評とは異なり、かなり結果を出していたのですね。
これも意外でした。
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