コメントさせていただいたのは、
日本経済新聞の土曜版「エコノ探偵団」。
経営などを学ぶビジネススクールが社会人でにぎわっている、なぜ？という記事でした。
転職に直結するわけでも、
ひところのように企業が学費を負担するわけではないのに
なぜ自分から学ぶ人が多いのか？という観点。
記事は『社会人＆学生のための大学・大学院選び』編集長である私だけでなく、
グロービスや筑波大などの大学院の先生や卒業生、
ヘッドハンティング会社やＮＰＯなど
実態をよく知る方々に取材したものでした。

今回もそうですが、様々な媒体で取材を受けていて、いつも不思議だなあ、と思うのは、
「転職にすぐ直結するわけではない」「仕事にすぐ活かせるわけではない」のなら、
なぜ学ぶのか？というのを、
メディアの方々からまるで異常なことのように質問されること。
今回のような大学院進学もそうですし、資格取得の場合もそうです。

まるで、理由やメリットが明確になければ、学んではいけないことのように問われるのです。

でも、記者の方だってみなさん、そんなはっきりとまとまったお金を払うことがなかったとしても、
きっと仕事の中で学んでおられるはず。

実際に大学院に通っておられたり、資格を取得しておられる方にお話しを伺うと、
現在のお仕事の状況やこれまでのキャリアに満足されてらっしゃる方であればあるほど、
「これ」にやくだった、というような明確なお答えではなく、
知識やスキルも身についたし、資格も取得できた、人のつながりもそれまでになくひろがったし、
客観的な視座が得られるようになってストレスが小さくなった気がする・・いろいろあるけれど
一つこれが得られた！という感じではないな・・というお答えになる。
（時々、面倒だからと「聞かれたとき用の答え」を用意されてる方もおられますけど・・）

でも、記者さんはそんなお答えでは満足いただけないようで、
今回も記事には、「将来に不安感じて」「社外に通用する知識を得たい欲求の表れ」といった言葉が躍っていました。
（後半は私のコメントの形になっていました・・そんな言い方はしないはずですが、仕方ないですね）

でも、こうした言い方だと、
外で学んだことなどないしこれからそんなことしようとも思わない読者の方は、
「そうそう、あえてそんなことする人なんて、不安にまみれた人だ、自分はそんなことする必要ない」なんて
思ってしまうのではないだろうか・・

今のご時世、職場の外で学ぶことも未経験から新たなキャリアに踏み出すことも、決して特別なことじゃない。
昔と違って会社のお金や制度が使えるケースも少ないけれど、それよりも単に、
無理に会社の意向に合わせるよりも、自分の志向にまっすぐ学んだ方が効果的、
その心地よさを知ってる人が増えてきてるだけのように思うのですが。

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