茅野 分(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))- Q&A回答「ハイプレッシャー・競争社会で生き抜くには」 - 専門家プロファイル

茅野 分
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茅野 分

チノ ブン
( 東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医) )
銀座泰明クリニック 院長
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ハイプレッシャー・競争社会で生き抜くには

心と体・医療健康 心の病気・カウンセリング 2007/04/07 02:47

ロシアのモスクワ音楽院でピアノを勉強しているのですが、あまりのスパルタ教育に精神的にやられそうになっています。ここに来るまではアメリカの音楽院で勉強していたのですが、明るく、幸せいっぱいで自尊心もある人でした。ずっとほめられて教えられて来た私。友達もいっぱいで、アメリカで人権についても教えられて来た私。ここに来て、毎日8時間以上練習して、毎日レッスンで怒鳴られてたたかれて侮辱されて人格のすべてを否定されて、常に結果は皆無だと言われつづけて、我慢できないなら日本に帰れと言われて、ものすごい曲数を課題として抱えながら週末も休日もなく頑張って来ました。ピアノと関係ないことでも侮辱・否定されます。教授が短気な男性で八つ当たりがすごいこともあります。コンクールで友達に勝つために友達を裏切ったり毒をもったりする社会。レッスンといっても失敗が許されません。皆、レッスン直前に処方箋の薬を飲んで手の震えを止めて、さらに集中力を強化して途切れにくくするための薬を常に飲んでいます。最近私は、ピアノはめきめき上達しているのですが、教授の顔や声を思い出すだけで体が凍りつき、胸が圧迫された感じになり、心が痛くなって涙が出てきます。完全に自尊心も人格も毎日つぶされて、24時間心がショックです。顔の神経がひきつるようになってきました。外からのネガティブな刺激を、どうやって自分の心に影響させないようにできるかを教えてください。ずっとずっとひどい言葉や怒鳴り声を浴びさせられつづけながら機能しつづけるにはどうすればいいでしょうか?(自殺願望、食欲障害、睡眠障害はありません)ずっとずっと圧迫面接を受けつづけているような状況です。ものすごく厳しい社会で、中には(ロシア人)自殺しちゃう人もいます。あと何年間か(PhD取得まで)機能しつづけられるようにアドバイスをください。どうぞよろしくお願いします。

SolemnNoteさん ( 東京都 / 女性 / 25歳 )

茅野 分 専門家

茅野 分
医師(精神科)

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ハイプレッシャー・競争社会で生き抜くには

2007/04/07 09:50

ロシアの音楽院で''ハイプレッシャー''の中、毎日''トレーニング''をされているとのこと、心よりお見舞い申し上げます。日本で平和に暮している人々からは想像もつかないような激しい''競争社会''ですね。何がそこまで皆さんを駆り立てるのでしょうか?むしろその理由を自覚されると楽になるかもしれません。

適度な競争は自分も他人も向上させるために必要かもしれませんが、''過度''になると''適応障害や違法行為''を生じます。昔から洋の東西を問わず競争が激化すると、多少の精神障害や逸脱行動が起こってきました。オリンピックやノーベル賞といった世界最高の舞台においても起こりました。これは''人間の欲望''に端を発する宿命なのかもしれません。

従って、そのような時には改めて、''本来の目的や動機''を思い出すべきでしょう。そして''自分自身の人生や幸福''を考えて、程よいプレッシャーに身を置くように努めましょう。時には、失敗したり挫折したりすることもありますが、それもまた人生において必要な過程なのだと割り切ると楽になるでしょう。

誰の為でもなく、''「自分の人生」''を''「楽しんで生きる」''こと、他人より''自分自身が満足''することが大事です。そしてプレッシャーを楽しむ位の''心の余裕''を持つことが望まれます。ハイパフォーマンスというのは''適度にリラックス''した心から生まれます。そのためには''十分な休息''や''信頼できる家族や友人''も必要です。どうぞ意識して楽しみながら頑張って下さいませ。

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