茅野 分(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))- Q&A回答「最近のうつ病」 - 専門家プロファイル

茅野 分
東京・銀座の心療内科・精神科、夜間・土曜も診療しております。

茅野 分

チノ ブン
( 東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医) )
銀座泰明クリニック 院長
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社員への対応について

心と体・医療健康 心の病気・カウンセリング 2008/04/03 16:47

私はソフトウェア開発を行う企業の経営者で、中途社員を雇ったのですが、勤怠が悪くお客様からお叱りを受けました。社員に理由を聞くと「実は私は鬱病です」と言われました。7年前から通院しており最近体調が悪くなっているそうです。(薬はトレドミン、ドグマチール、デパス、睡眠時にハルシオン、ロヒプノール)暫くすると遅刻や無断欠勤が増えてきたので『病気の事は私も先方も知っているが無断欠勤は困るので連絡だけはして欲しい。連絡するのは社会人の最低限のマナーである』と伝えた所、症例を大量に抜粋したメールを送ってきて『モラルの欠如というのは間違っていると思います。私の病気について全く理解していないのが現実です。単なる「なまけ症」など精神面ばかり言いますが、れっきとした病気です。インフルエンザやガンと同じ病気です。インフルエンザで高熱を出して休んでいる時モラルが欠如していると言いますか?社会人として最小限の連絡は必要でしょうが、この病気はそれすら出来ないこともあります。意識不明の人に連絡しろといっても無理です。今回は自殺企画まで行き、遺書も書きました。モラルの欠如ではなく健康管理が出来てないという方が正確です。抗鬱剤は毎日飲んでいます。症状は急に悪化します。死のうかと考えている時に連絡しようという気にはなれません。努力ではこの病気はなおりませんし努力は禁忌です。胃癌が努力で直ったなんて聞いたことがありません。強いて努力できる事は薬を飲む位です。』彼の行動を整理すると、『攻撃的になる/悪口を言う/周囲に自分の病気を納得させようとする/普通にアルコールを飲む/遅刻無断欠勤を病気のせいにする/月1回しか通院していない』彼の職場環境は以前と同じ職場/職種です。本当に病気であれば休職させ治療に専念させたいと思っています。僅かな情報で済みません。彼が鬱病なのか違う病気なのかをご判断をお願いします。

ナオユキさん ( 東京都 / 男性 / 46歳 )

茅野 分 専門家

茅野 分
医師(精神科)

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最近のうつ病

2008/04/04 10:48
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中途採用された社員の方に「自称」うつ病で、攻撃的、他罰的、疾病利得などが認められ、対応に苦慮されているとのこと、心よりお見舞い申し上げます。

最近のうつ病は多少、他罰・回避的な傾向が認められます。「ディスチミア親和型うつ病」といい、病気というより性格の問題であることも少なくありません。このような方へ職場としては、産業医や人事部を通した対応を取ることが望まれます。大企業などでは精神科医をコンサルタントとして雇い、主治医の診断に対抗してダブルチェックをしているようです。

うつ病の啓発運動ともに、病気を利用して回避・依存を生じる方も増えてくるでしょう。企業をはじめ周囲の方々も適切な知識を得て対処していただけると幸いです。「こころの科学、職場復帰、うつかなまけか」もご一読をお勧め致します。

どうぞ宜しくお願い致します。

銀座泰明クリニック

評価・お礼

ナオユキ さん

参考書籍を紹介して頂いたので、その書籍を読んでみたいと思います。

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