茅野 分(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))- Q&A回答「「お薬恐怖症」に対して」 - 専門家プロファイル

茅野 分
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茅野 分

チノ ブン
( 東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医) )
銀座泰明クリニック 院長
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相談

心と体・医療健康 心の病気・カウンセリング 2008/02/01 03:45

先日は、相談に乗ってもらいありがとうございます。薬について、相談します。1度、副作用が出てしまうと、絶対飲めなくなります。幼少の頃、ケフラールという薬を飲んで、動悸があり、血圧が200まで上がり死にかけ て、入院した事があります。それから、薬に対して恐怖感があり、トラウマになっているのかもしれません。初めて処方された薬を飲むのは、何処の科の薬もかなり勇気がいりま すが、1度飲んで、何ともなかったら安心して飲めるようになります。でも、安定剤や抗うつ剤に対しては現在のかかりつけの病院に関係なく、どこの精神科や心療内科でもらっ た薬は、今まで全て副作用が必ず出ています。現在、安定剤類で飲めるのは、ランドセンとアタラックスPという薬のみです。この2種類の薬とカロナールを上手く併用して、痛 みを軽減させる事は、出来ないでしょうか?後、自分自身の痛み、熟睡出来ない事、娘の事、家のごたごたがある事、などでストレスもかなり溜まっており頭の中が、オーバーヒ ートで煙が出そうな位、脳みそも体も疲れきっています。そいう状態を精神科の主治医には、上手く伝わらず、主人にも、どんだけ私が疲れきっているのか、あまり伝わってない のか、私が、発狂すると怒鳴って怒り出します。正直、自分自身は、痛いながらも自分自身、かなり前向きになろうと努力してるつもりですが、主人は、あまり認めてくれません 。というか、頑張ってるなと褒めてくれません。私は、幼少の頃から、1度も褒めてもらった事がなく、1番大切な人に褒めてもらいたいのです。自分の中で、楽しい記憶、幸せ な記憶は、子供を産んだ時、今の主人と出会えた事しかありません。それ以外は、生き地獄のような人生でした。先生、薬も必要かもしれませんが、カウンセリングと現在飲んで る薬、主人の協力で何とかならないでしょうか?それと、薬への恐怖心を取るには、どうしたらいいですか

ゆきななさん ( 愛知県 / 女性 / 37歳 )

茅野 分 専門家

茅野 分
医師(精神科)

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「お薬恐怖症」に対して

2008/02/01 10:08

幼少期に抗生剤で副作用(アナフィラキシー)が生じて以来、お薬を飲むことが恐くてできないとのこと、心よりお見舞い申し上げます。

現在はランドセンやカロナールならば服薬できるようですから、差し当たりそれらで対処されてはいかがでしょう。''ランドセン''(クロナゼパム)は抗てんかん薬に分類されていますが、ベンゾジアゼピンとして最強・最長の作用を持っており、とても効果的な抗不安薬でもあります。''カロナール''(アセトアミノフェン)は効果は強くありませんが、とても安全な解熱鎮痛薬です。

日々のストレスに対しては''心理社会的治療''にて対処してまいりましょう。具体的には認知行動療法によりストレスに対する自分の行動や認知を客観的に分析して、効果的な対処や思考を身につけることができます。

またご主人をはじめ''周囲の方々のご協力ご援助''も欠かせません。ご主人が無理解・高圧的なようで困りましたが、主治医やご両親ご友人のお口添えなどをいただき、ゆきななさんの気持ちを理解して、少しでもサポーティブな対応をいただきたいものです。現在の主治医が頼りにならないようでしたら、転医も仕方ないでしょう。

そして少しずつ安心や信頼、成功・達成の体験を重ねることで勇気や自信は育ってくるものです。いわゆる''自己効力感 self efficacy'' や''自尊心 self esteem'' という感情です。焦らず一歩一歩お進みいただけるよう期待しております。

どうぞお大事にして下さい。

茅野 分(銀座泰明クリニック)

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