高校時代から異常なほど眠気、''過眠''に悩まれているとのこと、心よりお見舞い申し上げます。

過眠を生じる疾患としては、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群などが代表的です。

''ナルコレプシー''とは、日中に突然強烈な眠気(睡眠発作)に襲われ、時と場所に関係なく居眠りを何回も繰り返す疾患です。このような睡眠発作をはじめ、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺(金縛り)などを特徴とする脳の疾患です。

視床下部から分泌される''オレキシン''という神経伝達物質が不足していると言われています。

遺伝性が認められており、日本人では、白血球の血液型である''HLA(ヒト白血球抗原 Human Leukocyte Antigen)''のDR2の中のDR15という遺伝子が陽性になります。

診断は、問診、日中のポリグラフ検査、終夜睡眠ポリグラフ検査、睡眠潜時の反復検査、覚醒維持検査、血液検査、睡眠記録表などによります。

治療は、''塩酸メチルフェニデート''やモダフィニルのような中枢神経刺激薬を使用して、規則な睡眠・覚醒リズムが取れるよう、生活指導をします。

ただし塩酸メチルフェニデートは最近、若者の依存・乱用が社会的な大問題になりました。つきましては、診断・治療とも専門施設に限定されます。大学病院をはじめ専門病院を受診されることをお勧め致します。どうぞお大事にして下さい。

茅野　分(銀座泰明クリニック)