藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「購入と賃貸の判断について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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一軒家と、分譲マンションと、賃貸でなやんでます。

住宅・不動産 不動産売買 2021/03/04 10:39

結局買うか、借り続けるか?
どれがいいのか未だに判断が、付きません
年収650万37歳です。
未婚です。

あいちゃんさん ( 男性 / 35歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

- good

購入と賃貸の判断について

2021/03/05 12:10

あいちゃん様
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
ご質問いただきました件ですが、賃貸か購入か、一戸建てかマンションか、
それぞれのメリット・デメリットを確認し、あいちゃん様の今後のライフスタイルに
適した方向性はどちらかを考えてみては如何でしょう。

まず購入か賃貸かの判断をする場合、将来の自分(家族)はどうなっていたいのか
を明確化することが重要です。

賃貸のメリットとしましては、いつでも引っ越しができる、維持管理費は
大家責任が大半、値下がりリスクは関係なしというものがあり、デメリットには
家賃はすべて大家さんのもの(資産性がない)、間取り変更・改装ができない
などがあげられます。

例えば、持ちえの実家があり、いずれは実家に戻って名義を受け継ぐ方で、
転勤が多い仕事とか、収入が不安定で見合った家賃への引っ越しも多い方は、
実家に戻るまでの間、場所や賃料を変更できる賃貸で過ごす方が合っているかも
しれません。

そういった引き継ぐ家などはなく、今後、結婚や子供をお考えであれば、
家族やご自身の老後の住居確保に、購入することが安心につながります。

購入のメリットとしては、持ち家という喜びや改装が自由ということ以外に、
資産的な価値(値上がりの場合)や保険としての利点があります。

退職や老後をむかえる時期に、賃貸での生活は家賃支払いが大変であったり、
保証人がいないと部屋を借りる事もできない状況、また後々購入を検討する
にしても、その時の年齢、収入、自己資金、借り入れ状況、病気などの
状況によっては、住宅ローンが組めないリスクもあります。
健康や勤め先に万一のことがあれば、賃貸での生活をリスクと捉える方も多く、
住宅購入に伴い団信※1に加入することで、万一の時でもローン支払いや家賃の
かからない住居を遺族にのこせることに価値を感じる方は購入が良いかと思います。

※1. 団体信用生命保険は返済途中で死亡、高度障害になった場合に、
本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。

購入のデメリットとしては、値下がりリスクがあることや、ローン返済への不安、
維持管理は自己負担、安易に引っ越しができないといったものがあります。
ローン返済への不安に関しては、払い続けなければ住めない賃貸の方が
不安要素は大きいと思いますが、先にも書きましたような、引っ越しが多い方で
後々戻る実家などもあり、住む場所や部屋や物件は、貸出や売却時を考慮したり
他人の視点など気にせず、ご自身が快適と感じることを第一優先に選びたい
という方なら、購入がライフスタイルに向かない可能性があります。


次に、マンションと一戸建てのメリット・デメリットですが、
以下のようなものがあげられます。

■マンションメリット
ワンフロア平面で使い勝手が良い
管理がよくゴミ出しなどが便利
耐震性が高い
一般的に眺望や通風が良い

■マンションデメリット
管理費・駐車場のランニングコストが高い
ワンフロアなので独立性が低い
将来の建て替え費用が不安
将来の資産価値低下のリスク

■戸建てメリット
自分の土地なので自由に使える
駐車場がついている(一部除く)
縦構造なので各部屋の独立性が高い
土地がついているので資産性が高い
土地部分は減価償却したい
マンションと比べて占有面積が広い
建て替えが容易

■戸建てデメリット
マンションと比べて防犯性が低い
マンションと比べて耐震性が低い
立体的空間なので不便◎建物が木造の場合に耐久年数が短い
自己管理になるので面倒
近隣との関係が面倒


多少偏った内容にはなりますが、マンションのような共同住宅のこわいところは、
管理や維持費捻出を所有者みんなで協力してやっていく必要があることです。
ほとんどは、管理会社に清掃や管理費修繕費の徴収等を委託していますが、
修繕費等の捻出は所有者同士が協力的・計画的に進めて行かないと、
自分一人の力では建替えも修繕も行えない規模であるリスクです。
当初の想定以上の修繕費が必要な場合や、積立金が計画通りでない場合など、
古くなっても費用が足らず建替えや修繕が行えないケースも割とあります。

ですが、駅近のマンションなどは比較的賃貸に出しても借り手が付きやすく、
またセキュリティーも戸建てよりは高いことが多いです。
独身で一人暮らしの方、安心安全を気にする女性の方でいずれ結婚し部屋を出る
であろう方、いずれ実家に戻る方や、結婚または家族が増えるであろう数年後に
新たに一戸建てを検討するという方でしたら、数年間駅近マンションで
過ごした後、賃貸に出したり買い替えする等で、新たに戸建てを購入するという
ケースもあります。
または、お子様がみな独立し方が老後を過ごすに場合にも、階段のないワンフロアで
掃除・ゴミ等の管理を行ってくれるマンションが、資産性よりも利便性で選ばれる
ことがあります。

戸建は自分の土地なので資産性もあり、建替えや改装も自由です。
ご家族などに資産として住まいをのこしたいと考える方には、
土地を自由に使える土地付き一戸建てが選ばれることが多い印象です。

他にも新築か中古か、都会か郊外かでもメリット・デメリットを考慮すると
よりご自身のライフスタイルにあった選択ができるかと思います。



不動産購入は一生に何度もできることではありませんから、
将来への長期的な夢を購入することと言えます。

一生住める家を探したいということであれば、周辺環境や施設、
住宅の大きさや間取り等を、自分自身の要望や生活のしやすさだけで
判断しても問題はありません。

しかし、将来的な売却や賃貸の可能性も考えて購入したいということですと、
将来、希望通り賃貸や売買ができる物件・エリアなのかを考え、今のことよりも
将来のイメージ・予測・分析し、自分自身の視点だけでなく、この物件を
他人がどう思うかまで考えることが大切になります。

「老後の生活設計」や「将来の夢」は人それぞれで、100人いれば100通りあります。
一色単にこれが正解というものはありません。
その方のお考えや要望、人生設計、家族構成、将来的な収支のバランス、
いま支払えるかどうかでなく数十年後の完済時期まで支払い続けられる
ローン計画であるかどうかなどを聞き、10年後、20年後、30年後のそこでの生活が、
自分のライフプラン(人生設計)にどう影響しているか考察することで、数年後の
思ってもいなかったという失敗を防ぐことになります。

ご自身のライフプランを認識し、その選択(購入・賃貸、戸建て・マンション)で
メリット・デメリットがどう影響するか洗い出しますと、あいちゃん様に
あった方向性や物件が現実的に見えてくると思います。
是非、その辺りから考えてみては如何でしょう。
安心とマイホーム購入の実現に役立つアドバイスとなれば幸いです。

以上、ご参考になりましたでしょうか。

アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

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